<Bリーガーの食卓:古川孝敏>

 男子プロバスケットボール、Bリーグ栃木ブレックスの古川孝敏(28)はアウトサイドのシュート力に加え、強じんな肉体を生かした接触プレーやディフェンスでも力を発揮する。「食事の話ですか? 僕は独身の1人暮らしですからあまり参考にならないですよ」と笑いながらも、意識の高さを感じさせる食エピソードを語ってくれた。

栃木ブレックスの古川孝敏 (C)TOCHIGI BREX
栃木ブレックスの古川孝敏 (C)TOCHIGI BREX

定食屋利用で意識的にチョイス

 朝は、おかずを自由に選べる定食屋か牛丼屋の朝定食。魚、サラダ、納豆、卵ときちんととれるんですよね。お昼はそば屋や定食屋で、ごはん、汁物、主菜、副菜とそろっているものを食べるようにしています。

 夜も定食屋で、生姜焼き定食にごはん大盛り、緑のものが足りなかったら小鉢を別で頼む、というような感じです。

 試合前日や当日は炭水化物多め、肉は少なめでエネルギーを蓄積する「グリコーゲン・ローディング(カーボローディング)」をやっていますが、普段はバランスよく食べることを意識しています。炭水化物だけでもおなかは膨れるんですけど、エネルギーしかとれず、体の疲れがとれないので、サラダ、緑のもの、ヒジキなどのおかずは意識的にとっていますね。

 家で飲むのは水とお茶のみ。お菓子は食べません。コンビニを使うのも時々で、買うのはおにぎり、サラダ、ヨーグルトくらい。でも、ラーメンが好きなんですよ…。「散々話していてラーメンかよ」って思われるかもしれないですけど(笑)。オフは息抜きも兼ねて食べてしまいます。

中高生時代は母のバランス良い料理

 中高生時代は自宅から通学していたので、親が作ったものを食べていました。仕事で忙しくしていたのに「ごはん、味噌汁、魚」だけでなく、おかずをバランスを考えて作ってくれていましたね。実家を離れた今も「食事はしっかりしなさいよ」と言われています。母が忙しいときは、年の離れた2人の姉が作ってくれました。僕、末っ子長男なので、母にも姉にもかなり可愛がられて育ってきたかなと思っています。自分で言うのも何ですけれど…。

栃木ブレックスの古川孝敏 (C)TOCHIGI BREX
栃木ブレックスの古川孝敏 (C)TOCHIGI BREX

 大学時代はとにかく体重を増やしたくて1日5食。午前中の授業の合間と練習前におにぎりを1~2個、練習後とウエートトレーニングの合間にうどん、というような感じで。たくさん食べることが大変だったという記憶はあまりないですね。「食べることもアスリートにとってはトレーニングなんだ」と考えています。

 バスケットボールは運動量も多いし、その上で接触プレーが増えれば消費エネルギーはさらに増えるので、しっかり食べないと回復しないですから。体が資本なので、食事で補えるところはしっかり補いたい。僕はそういうところを大事にして日々を過ごしています。

 Bリーグが開幕することで色々な方に注目してもらっているのはうれしいことです。僕もその思いにパフォーマンスで応え、周りの人に楽しんでもらいたいです。同時に代表活動もどんどん頑張っていきたいですね。日本代表が強くなることでバスケットはより盛り上がっていくと思いますし、代表で得たものをチームに還元することも意識していきたいです。

古川孝敏(ふるかわ・たかとし)
古川孝敏

 1987年(昭62)10月20日、兵庫県出身。長峰中-御影工(現科学技術)-東海大-アイシン-リンク栃木(現栃木ブレックス)。190センチ、92キロ。ポジションはシューティングガードまたはスモールフォワード