サッカーのJ1第1ステージ5位、年間勝ち点7位(8月24日現在)の大宮のルーキーDF山越康平(23)は、男子テニスの世界ランク1位、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の食事法を見習って屈強な体作りを目指している。
大宮では毎週、体脂肪率を計測している。明大を卒業し、加入から4カ月ほど経った5月。山越の体脂肪率は14%と、チームの中では少々高めだった。レギュラー選手との数値の差を縮めたいと、ある決断をした。
「休みの日に本屋に行ったんです。テニスのチャンピオンだし、面白そうだな」と手に取ったのが、ジョコビッチの著書「ジョコビッチの生まれ変わる食事」(三五館)。小麦などに含まれるタンパク質「グルテン」の摂取を止めることで、体が軽くなるとされる「グルテンフリー」を実践することにした。
1度始めたら粘り強く続けるのが山越の持ち味。栃木・矢板中央高2年でFWからセンターバックへ転向した際には、延々とヘディングの練習をし続けてものにした。今回は開始から1カ月後には数値に変化が表れ、「小麦を抜いてからは体脂肪率が11%や12%に減っている」と話す。激しい接触プレーも多いDFとして「減らしすぎると当たり負けする」との理由から、体脂肪率10~11%を維持することを心がけている。
1日の食事はオフの日を除き、基本的にクラブハウスで提供されるものをとる。鶏肉や魚などメインの料理2皿にサラダや副菜、みそ汁、ご飯、フルーツをまんべんなく食べる。「冷やし中華やうどんが出る時は、代わりにご飯を多く食べるようにしている」と言う。グルテンアレルギーはないものの、食事への意識を高めるため、オフの日も「グルテンフリー」を継続している。
オフは自炊、酒も飲まない
プロになってからは1人暮らし。オフの日は自炊を心掛け、「最近はサバを焼いたり、ご飯とみそ汁、あとはひじきときんぴらを買って食べました」と言う。お酒は飲めないわけではないが、「お酒を飲むとけがが増えるって耳にするので、サッカーをやってる以上は飲まないと決めている」と、口にすることはないという。
リオデジャネイロ五輪世代の山越は、明大サッカー部の後輩で五輪代表に選ばれた東京DF室屋の活躍に刺激を受け「自分もそういう舞台に立ちたいと強く思う」と闘志を燃やしている。プレー面では「グルテンフリー」の効果は実感しにくいというが、ルヴァン杯(旧ナビスコ杯)ではチームで唯一全6試合にフル出場し、11年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献。リーグ戦でも出場機会を増やすなど徐々に頭角を現している。「25~26歳でA代表に入る」との目標に向けて、今後もジョコビッチ流を継続していくつもりだ。【青木沙耶香】
食事の内容をとても気にしていて、理想的な食事ができています。2種類の主菜は、複数のタンパク質を摂ることでアミノ酸のバランスが良くなります、また、野菜やフルーツもあり、ビタミン・ミネラルも摂れる食事になっています。自分の体と相談しながら食事をすることはとても大切で、体の変化を実感するには時間がかかりますが、体の調子に合わせて継続してください。