立大相撲部は現在、選手3人という小所帯だが、相撲にかける情熱はどの大学にも負けていない。かつては学生横綱を輩出し、映画「シコふんじゃった。」の舞台にもなった同部。4人のマネジャーが作る特製ちゃんこを食べて、古豪復活を目指している。

マネジャーは相撲もちゃんこも大好き

 立大相撲部は新座キャンパス体育館相撲場で週4回の稽古を行っている。毎週土曜日の稽古後、選手は相撲場にシートを敷き、マネジャーの作るちゃんこを食べる。

 相撲場の隣に調理場があり、取材した日は奥村百花さん(コミュニティ福祉学部2年)、種村晃さん(コミュニティ福祉学部2年)ら3人が、合同稽古で来ていた他大学の分も含めてちゃんこを作っていた。

相撲部の稽古風景
相撲部の稽古風景

 選手の体重を増やすという大事な目的もあり、作るちゃんこはかなりの分量になる。この日は塩味のちゃんことしょうゆ味のちゃんこの2種類が並べられた。レシピは同部に代々受け継がれているもの。付け合わせにはキムチが乗せられた。マネジャーは選手が稽古中から料理を始めていた。

 鍋にだしを入れ、さまざまな具材を投入し調味料で味をつけると完成。いたってシンプルな調理方法だが、奥村さんは「選手が相撲にかける思いと同じくらい、私たちはちゃんこに命を込めて作っています」と話す。

立教相撲部マネジャー特製のちゃんこ
立教相撲部マネジャー特製のちゃんこ

 稽古が終わり、食事が始まると、選手は勢いよくちゃんこをかき込む。あっという間に1杯目を食べ終え、すぐにおかわり。監督らと鍋を囲みながら、稽古内容や次の試合に向けた意気込みを語る。至福のひとときだ。

練習終わりのちゃんこは格別の味
練習終わりのちゃんこは格別の味

 しょうゆよりも塩の方が人気のようだった。ちなみに奥村さんいわく、この日の塩味の出来は「95点」だそうで、普段は味に厳しい監督も褒めていた。出来たてを一口いただいたが、あっさりとした塩味のなかにもしっかりとした旨みがあり、非常においしかった。

 マネジャーの作るちゃんこは選手からも好評だ。ある選手からは「食費が浮くから助かります」なんてリアルな感想も…。奥村さんに、マネジャーをやっていて一番楽しいと時は?と尋ねると「選手が試合をやっている時と、ちゃんこ作っている時」と答えてくれた。「では、どちらが好きですか?」という問いには「ちゃんこ作りです!」。マネジャーは、ちゃんこを作ることで立大相撲部を支えている。【「立教スポーツ」編集部】

管理栄養士・山崎みどりのコメント

 どのようにたくさんの量を食べるのかを考えることが必要な相撲ですが、2種類の味のちゃんこ鍋なら、飽きずに食べることができるでしょう。具たくさんのちゃんこ鍋は、さまざまな栄養素を効率的に摂ることができます。付け合わせのキムチには食欲増進や疲労回復の効果もありますので、練習後の食事には意識してプラスするといいでしょう。

立大相撲部

 1919年(大8)創部。東日本学生リーグ戦2部所属。1964年に堀口圭一が学生横綱に輝き、2003年、2013年には体重別選手権の軽量級で全国優勝者を輩出した。1992年公開の映画「シコふんじゃった。」のモデル、舞台となった(映画内では「教立大」)。立大新座キャンパス体育館相撲場で週4回稽古を行う。現在は部員3人、マネジャー4人の計7人が在籍。OBに歌手のディック・ミネ。