愛LOVE思い出の味。仙台市内で強化合宿を行っている卓球女子日本代表の福原愛(27=ANA)に地元から熱いエールが届いた。3歳から通う手打ちラーメン店「味の新宮」。7月1日の会見では仙台でのオススメとして同店名物の「パーコー麺」を挙げ、12年ロンドン五輪では銀メダル獲得後にも訪れた場所だ。

仙台にある味の新宮のパーコー麺
仙台にある味の新宮のパーコー麺

日々のつらい練習を乗り越える支え

 牛タンよりも、ずんだよりも、口をついたのは思い出の味だった。福原は7月1日の会見で仙台で最も好きなものを問われ、満面の笑みで話した。「小さい頃からずっと通っていて、ご紹介させていただいている方もいるのはパーコー麺のラーメン屋さん」。集まった地元報道陣が驚くほどの意外な回答に地元への深い愛情がにじんでいた。

 大好きな味は仙台市交通局の近くにある「味の新宮」。バシン、バシン、と手打ちされる麺の音が響くラーメン屋だ。店主の須藤哲二さん(75)は「愛ちゃんは3歳くらいから来てくれていた。練習終わりにご両親と。閉店間際に来て、少し泣きながら食べていたよ」と懐かしそうに振り返る。大好きな1杯は日々のつらい練習を乗り切る支えとなっていた。

 とりこになる味だ。名物パーコー麺(800円)の秘密は麺と肉だ。職人技で打たれる麺は薄力粉で作られる。水と塩でこねられ一晩寝かされた生地を注文を受けてからたたき、コシを生む。倍々で増える麺は「7、8回たたいて128本」の中細麺。しょうゆ味のあっさりスープにほどよく絡む。その上にのるのが揚げたての豚のあばら肉がのる。冷凍物は使わず、生肉にこだわることで実にジューシー。須藤さんは東京の名店「肉の万世」で修業し、永六輔さんやコント55号、小沢昭一さんを魅了してきた。

味の新宮に飾られている福原愛の写真。写真左が店主の須藤哲二さん
味の新宮に飾られている福原愛の写真。写真左が店主の須藤哲二さん

 泣き虫はメダリストとなった。12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得。その後喜びの報告をしに来店してくれた。須藤さんは「大体座るのは端っこのテーブル席でね。俺は気づくのが遅れる(笑い)。リオでも絶対メダルを取ってくれるよ」と太鼓判を押す。今合宿での来店は未定だが、福原も「美誠にも紹介したい」と話すほどのお店。成長を支えてくれた大好物を食べに、金メダルを手に2人で仙台に戻ってくるはずだ。【島根純】

(2016年7月3日付日刊スポーツ東北版紙面から)