明大対東大 サヨナラ勝ちし喜ぶ東大ナイン(撮影・鈴木正人=2016年4月18日)
明大対東大 サヨナラ勝ちし喜ぶ東大ナイン(撮影・鈴木正人=2016年4月18日)

 赤門軍団は「食トレ」で強くなった。東京6大学野球春季リーグで、東大が4月18日の明大2回戦(神宮)でサヨナラ勝ちした。東大が明大に勝つのは04年以来12年ぶりで、連敗を47で止めた。

 昨年は年間2勝したが、勝ち点にあと1歩のところで届かなかった。敗因を分析した浜田一志監督(51)は「下手だからたくさん練習しないといけない。そのためにはエネルギーがいる」と、食事を最優先課題に挙げた。オフは1日5000キロカロリー摂取を目標にした。米は1日1升食べることを理想とし、個人で目標体重を設定させた。

豚汁のあくを丁寧にすくう東大・宮台(右)(撮影・和田美保=2015年12月5日)
豚汁のあくを丁寧にすくう東大・宮台(右)(撮影・和田美保=2015年12月5日)

土日練習時は豚汁、コンロも購入

 当然、食べるにはお金が掛かるし栄養バランスも問われる。そこで、登場したのが「豚汁」だ。昨秋から、土日の1日練習時には、ケガ人を中心とし自炊が行われるようになった。部費で野菜などを購入。ガスこんろや大鍋も新たにそろえた。ニンジン、ゴボウ、大根、油揚げなど具だくさんでおかわり自由。食欲を誘う、ほんのりごま油の効いた豚汁は日に日に本格化し、大人気となった。

 明大戦でサヨナラ打を放った山田大成内野手(3年=桐朋)は、体重が5キロ増の75キロになった。続く同3回戦では3ランを放つなど「食トレ」の効果がうかがえる。「最初は吐きながら食べるぐらいつらかったけど、力がついた気がします」と笑った。14年ぶりの勝ち点は、すぐ目の前まできている。【和田美保】

管理栄養士・山崎みどりのコメント

 運動をするには、当然ながらエネルギーが必要です。ハードな練習に耐えるスタミナ、また疲労回復のためにもたくさん食べることが必要です。特に、1升のご飯を食べるからこそ、ビタミンB1の必要量が増えます。B1といったら豚肉が代表的です。具だくさんの豚汁でしっかりと栄養バランスを取って下さいね。