餅好き望月の餅トレはいかに! 阪神のドラフト4位ルーキー望月惇志投手(18=横浜創学館)が高校野球部時代から続けてきたというひと味変わったトレーニングがある。通称“餅トレ”。餅を食べ続けて体を大きくしたという望月の食生活に迫った。

阪神新入団選手発表で、ポーズをとる望月惇志(撮影・田崎高広)

 日本人の好きな食べ物と言えば…。焼き肉、ラーメン、カレーライス。しかし望月にはそれらを上回る大好物がある。餅だ。望月の名の通り“餅好き”なのだ。

 身長188センチ、体重84キロ。恵まれた体を持ち、いまだ身長が伸び続けているという高卒新人右腕。その土台となったのは学生時代からこれまで、体作りの一環として続けてきた餅トレの成果だと語る。

 * 望月 * 餅は大好きで食べ続けてきました。体作りのためにと思って食べたりしてました。

高校時代から「餅トレ」

 餅トレは横浜創学館2年の冬から本格的に行われるようになった。それまでも実家では餅を食べることがたびたびあったが、野球部の取り組みとして冬場の長距離走などの練習をこなした後、すぐに餅を食すようになった。この生活を2カ月続けると、3月には5キロの体重増量に成功という実績も残した。

 望月が餅を食べる時、主に2つのパターンをローテーションしている。1つはのりで包んで砂糖しょうゆで味付け。そしてもう1つがきなこ餅だ。

 今年の年始も「母親にもちゃんと餅トレしなさいと言われまして」と家族総動員で餅トレを支援してくれた。朝昼晩の食事とは別の形で、1日約400グラムの餅を食べ続けてきた。また、入寮時には1キロ分のカット餅を持参。自主トレ中は寮での食事とは別に餅を食すなど、積極的に取り組んできた。

炭酸飲料、スナック菓子もとらない

 餅トレ以外にもストイックな食事を続けてきた。中学時代から炭酸飲料やスナック菓子などの甘いものを一切とらない食生活を続けてきた。飲み物は牛乳と水のみ。まれにヤクルトや果汁100%のオレンジジュースを飲む時はあるが、それも1カ月に1度あるかないかという。間食は餅がメーンだった。

 その名に恥じない餅好きの望月。今後の餅トレについて「きねとか臼とか用意してもらうのはさすがに難しいと思うので(笑い)。食べるだけに集中したいです」と、“餅つき”トレは考えてはいないとのこと。それでも餅とともにプロ野球選手の夢をつかんだと言っても過言ではないだろう。【梶本長之】

ダジャレじゃない、栄養学的にGOOD

<管理栄養士・大前恵氏(株式会社明治)の解説>
 望月選手の取り組みは単なるダジャレではありません。栄養学的に合っています。練習後すぐに炭水化物を取ることによって、練習で壊れた筋肉を作りかえようというスイッチが入るので、すごく効率がいいです。運動後30分はゴールデンタイムと言われていて、これを2カ月も続けていれば、体重5キロ増というのはうなずけます。

 きなこ餅のきなこは大豆なのでタンパク質も上手に摂取しているな、という印象です。ただ一般の人で体脂肪が気になる方は、きなこには油も入っているので、プロテインにするなど気にかけるといいかもしれません。

 飲み物が基本は牛乳と水のみというのもいいと思います。炭酸飲料で砂糖をいっぱい取らないで、牛乳でタンパク質とカルシウムをしっかり取ってきたから、188センチという恵まれた体格になれたのだと思います。

(2016年2月19日付日刊スポーツ紙面掲載)