毎週のように移動を繰り返しながらシーズンを戦うプロゴルファーたちにとっても、食事は重要な調整要素のひとつとなっている。約10年に渡って米ツアーで活躍し、19年から国内ツアーで戦う宮里美香(31=ニチコン)も食事とパフォーマンスの関係性を意識しながらプレーしてきた選手の1人。コンディション維持において欠かせないという和食への愛、そして「食」への知識を持つことの重要性を語った。

食事管理について語る宮里美香(撮影・中島郁夫)

宮里には、どこに行っても手放さなかった食べ物がある。それは今では「スーパーフード」とも呼ばれる玄米だった。高校時代から口にし、卒業後に渡った米国にも炊飯器を持ち込んで人生初の1人暮らしを支える食材として炊き続けた。「共通の知人に勧められて、腹持ちもいいですし、自分にも合っていると思ったので食べていました。レストランに行った時でも玄米のおにぎりを持って行っているぐらいでしたね」。

練習の合間に笑顔で素振りをする宮里美香(撮影・中島郁夫)

一般的に玄米は白米よりもカロリーが低く、食物繊維やビタミンも豊富とされている。水を吸いにくいため、宮里も水につけたまま1日冷蔵庫で冷やして炊いていた。オフに行うフロリダ合宿時には練習に集中するため、母親に玄米中心の食事を約1カ月ほど作ってもらっていた時もあった。日本に戻った今でも玄米生活は変わらないという。

加えて大事にしているのは、食欲でストレスをためないこと。基本的には好きなものは我慢せずに食べた方がいいとするタイプで、宮里にとってはそれが和食だった。「きんぴらごぼうと、ひじきと、かぼちゃの煮物、ご飯とみそ汁、そして魚の塩焼きとかがあれば私はハッピーです」と笑い、外食中心の生活になりがちなツアー中も基本的には和食を食べる。「米ツアーの時は日本食レストランを探すのが大変で、たまにイタリアンや韓国料理屋に行ったりする時もありました。それでも消化のこととかを考えて、あまりお肉は食べないようにしていましたね」。

食に関する勉強にも意欲的に取り組んできた。渡米時からトレーナーのサポートも受け、2015年からは個人でもトレーナーと契約。同時期からオフにファスティングも取り入れ始めた。今年1月にも真冬の京都で1週間の「ファスティング合宿」を敢行。合わせて滝行や予防医学などの勉強も行った。「シーズン中は外食ばかりの生活になるので、体のリセットという意味で。勉強もして、食について自分でも理解できるようにしています」。合宿の3週間前から一切アルコールも口にせず、野菜や魚中心の生活を続けて臨む徹底ぶりだった。

将来アスリートを目指す子どもたちへ、エールを送る宮里美香(撮影・中島郁夫)

長く活躍を続けるには理由がある。そんな宮里から、将来アスリートを目指す子どもたちへのアドバイスをもらった。「アスリートは体が資本です。特にゴルフは最終日まで体力的に持つ体でなければいけませんし、リカバリーや集中力が重要になります。自分自身が食べるものについてはしっかりと勉強して理解し、疲れにくい体を作ってほしいなと思います」。

プレー中から日常生活まで。トップアスリートは日々の生活からストイックな調整に励んでいる。【松尾幸之介】

◆宮里美香(みやざと・みか)1989年(平元)10月10日、沖縄県那覇市生まれ。8歳からゴルフを始め、興南高卒業後に単身渡米し、09年から米ツアーに本格参戦。10年日本女子オープンでプロ初優勝し、米ツアーでは12年セーフウェークラシックで初優勝を果たす。同年には世界ランキングも自己最高の8位に。19年から日本ツアーを主戦場とする。160センチ。