<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

ネーブルはオレンジの一種で、19世紀にオレンジの枝変わりとして発生したようです。輸入品は通年出回っていますが、旬の時期には広島、静岡、和歌山などで栽培されている国産品も出回ります。

果頂部にへそがあるのが特徴で、名前の由来にもなっています。じょうのう(果肉を包んでいる袋)がやわらかくそのまま食べられ、果汁が多めです。種がほとんどないので、お弁当などにも入れやすいですね。

果皮がなめらかでハリとツヤがあり、重みを感じるものを選びましょう。大きめの方が果汁が多い傾向にあります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ネーブルはビタミンCを特に多く含んでおり、果物の中でトップクラスです。甘みが強く、糖の種類はショ糖が50%、残りは果糖とブドウ糖が半々で、エネルギーになりやすいです。

有機酸はフェルラ酸を多く含んでいます。フェルラ酸は抗酸化作用が強く、ガンや糖尿病、心血管疾患、アルツハイマー型認知症予防効果があるとされています。

フラボノイドの一種、ヘスペリジンは果皮やじょうのうの白い筋に多く含まれます。ネーブルはじょうのうがやわらかいので摂取が容易です。

柑橘類に共通ですが、果皮を湯船に入れると血行促進、疲労回復、リラックスなどが期待でき、湯冷めしないと言われています。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、認知機能低下抑制、骨粗しょう症予防、美肌、冷え性改善、整腸作用などです。

保存するなら
ネーブルはあまり日持ちしません。乾燥を嫌うので1つずつ新聞紙などに包み、冷暗所で保存します。1週間ほどで食べましょう。冷蔵する場合はポリ袋などに入れ、野菜室で保存します。

冷凍する場合は果皮をむき、すぐに食べられる状態にしておくと便利です。1カ月ほどで使いましょう。

輪切りにして干すと、紅茶に浮かべるなどに利用できます。

【管理栄養士・高木小雪】