私が高校野球部の寮母という職に就いて1年が経過しました。はじめは分量がわからず、残飯のロスも出していました。また、逆に量が足りないことも多々ありました。夏の大会に向けてはエネルギー切れを起こさないことと熱中症対策、食中毒菌との闘いが続きました。酢の作用で疲労回復を促し、菌を増やさないよう努める日々でした。
秋の大会も終わり、今は冬の体作りの季節に入っています。体重を増やし、筋力をアップできるよう、食べる量を増やすことが今は課題です。ただカロリーを増やすだけではなく、消化の時間も考慮して提供するのが、アスリートフードマイスターである私の使命です。
球児たちのパフォーマンスアップのために
寮での食事作りで私が気をつけてきたのは「5大栄養素を効率よくとる」ということです。タンパク質は卵、大豆製品、魚、肉など、毎回多くの種類を組み合わせるようにしています。
毎日提供するみそ汁のだしは煮干しと昆布と粉末だしから。具材は乾物を入れることも多く、カルシウムの吸収を促すよう工夫しています。
食事の提供時間は一定ですが、練習時間は日によって変わるため、練習開始・終了時間に合わせて食材やメニューを考えています。昼食後すぐに練習がある時には食べやすいあんかけ丼や玉子丼、オフの日にはカツ丼などガッツリ食べてもらえるものというように、消化時間も考慮しながら日々柔軟に対応しています。
野菜は余すことなく使ってフードロス削減
フードロスをできるだけ出さないよう、野菜の皮やヘタを煮詰めて「野菜のだし(ベジブロス)」として煮込み料理に利用しています。野菜の皮やヘタには多くの栄養が詰まっています。これを逃すのはもったいない! ベジブロスを利用した煮込み料理はおいしいだけでなく、油汚れもスルリととれるので一石二鳥です。
メニューに行き詰まりを感じた時にはアスレシピを見て、管理栄養士の先生方や特派員、認定アンバサダーの皆さんのレシピや工夫を参考にしてきました。ジュニアをはじめとしたアスリートをサポートする皆さんのアイデアには、本当に日々助けて頂いています。
これからも「おいしさ」と「安全・安心」を
私の寮母としての挑戦はまだまだこれからも続きます。毎日手探りで寮生たちに向き合い、歩む毎日は大変ながらもやりがいを感じます。「おいしさ」と「安全・安心」を常に心がけていきたいと思っています。
特派員、認定アンバサダーとしての活動を通じ、自分自身も成長することができました。小さな毎日の積み重ねが、今の寮母の仕事に全て繋がっています。アスレシピで培った経験を糧に、成長期の子どもたちの体作りとパフォーマンスアップに貢献できるよう、これからも努めていきたいと思います。
【アスレシピ特派員=大阪府在住・石井ゆかり】