近年、健康志向の高まりからゴマの消費量が増加傾向にあります。紫外線対策としてビタミンEやセサミンをとろうとして、ゴマを料理に使用している人もいるかもしれません。

一方で、ゴマはアレルギー表示の推奨食品でもあり、ゴマアレルギー患者も増えています。2020年の日本人の小児から高齢者を対象にした即時型アレルギー調査では、ゴマアレルギー患者は全体の0.5%でした(※1)が、少しずつ増えています。症状としては軽度の皮膚症状、浮腫からアナフィラキシーまで様々です。

ゴマは調味料、菓子などの食品だけでなく、化粧品やUV対策グッズなどにも含まれていることから、原材料や成分の慎重な確認が必要になります。除去範囲は1人1人異なるため、どこまで除去が必要か、医師に確認しておきましょう。

なお、ゴマは小麦粉やそばなどと同様にゴマ粉末の吸入によって呼吸器症状、皮膚症状などが出現するケースもあるため、ゴマ料理を調理する際は、近くにゴマアレルギー患者がいないか確認しておくことも重要です。ただ、ゴマアレルギーがあっても、ゴマ油は精製過程でアレルゲンとなる成分が少なくなっているため使用しても問題ないケースもあります。ゴマ油が使用できるかどうか不確かな場合も、医師に確認しておきましょう。

ゴマ(油)には、ゴマリグナン、オレイン酸などの抗酸化成分が含まれています。オレイン酸をゴマ以外で補うなら、オリーブ油がおすすめです。オリーブ油は主成分がオレイン酸で、悪玉(LDL)コレステロールを抑制する作用や肌の乾燥を抑制するなどの作用があります。なお、オリーブ油以外でオレイン酸が多く含まれている食品には、菜種油、米油、豚肉、牛肉などがあります。

今回紹介するレシピは、オリーブ油を使った「ハーブのさっぱりドレッシング」です。抗酸化力強化としてオレイン酸に加え、ローズマリーやディルなどのハーブも加えたドレッシングとしました。ハーブには、抗酸化作用の高いフィトケミカル(※2)が豊富に含まれています。

紫外線が強くなるシーズンは、気温の上昇とともに疲れも出やすくなります。生野菜を食べる機会が増える時期には、抗酸化力アップのドレッシングをストックして元気に初夏を過ごしましょう。

※1=即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査(消費者庁)令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書
※2=フィトケミカル:フラボノイドでアレルギー軽減、「ネギもりもり大根もち」で抗酸化力アップ

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子