今では、海外製の食品をスーパーでもネットでも購入しやすくなっています。気軽に海外に行けないからこそ、せめて輸入食品を購入するという方もいるのではないでしょうか。

しかし、海外製の赤い色をしたお菓子や清涼飲料水、化粧品によって、皮膚症状や消化器症状などのアレルギー症状が出た経験がある方はいませんか。色素のアレルギーはピンとこないかもしれませんが、「コチニール色素」のアレルギーかもしれません。

虫のタンパク質成分が原因

「コチニール色素」とは、飲料や食品の着色料として使用される赤色の色素です。カイガラムシの体を乾燥させ、色素化合物を抽出して使われます。アレルギー症状は、色素そのものではなく、虫のタンパク質成分が原因とされています。

近年では、日本製のコチニール色素は低アレルゲン化の技術が進み、昔よりも症状が出る方が少なくなっています。ただ、海外と日本では規制が異なることもあり、日本製のコチニール色素入りの食品に問題はなくても、海外製のコチニール色素を使用した食品を食べると症状が出てしまう方もいるのです。

口紅やアイシャドーで反応する場合も

また、コチニール色素の構造を変えて「カルミン」という物質にし、赤色の口紅やアイシャドーなどの化粧品に使用することもあるようです。赤色の化粧品を使用するとアレルギー症状が出てしまう場合は使用をやめて、医師に相談をしてみましょう。

これらのアレルギーは非常に多いものではありませんので、過度に赤色の食品や化粧品を恐れる必要はありません。アレルギー体質の方でも、症状がない場合は食べても使用しても問題ありません。

1つの食品の食物アレルギーがわかると、「他の食品でも症状が出るかも…」と心配になり、食べても問題のない食品まで除去している方もいるようです。不要な除去は、アレルギー症状誘発を防ぐことと関係ないので、どこまで除去したら良いのか心配な場合は、アレルギーの専門医に相談してみてください。

今回紹介するのは、フライパン1つとホットケーキミックスでできる「ココアとデーツの簡単米粉フライパンケーキ」です。デーツは、カルシウム、鉄、マグネシウム、食物繊維などが多く含まれており、栄養価の高いドライフルーツの1つです。

また、抗酸化作用の強いポリフェノールを含むココアを使って、甘みだけではなく様々な栄養素を摂取できるお菓子に仕上げました。今回は、直径20cmの小さいサイズのフライパンを使用しました。小さめのフライパンで調理した方が、縦により膨らみやすくなるのでおすすめです。

バレンタインも近くなり、海外のお菓子をいただく機会も増えることと思います。以前、赤い色素を使ったお菓子で体調を崩した方やコチニール色素を使用した赤色色素の化粧品でアレルギー症状が出た経験がある方は、原材料をよく確認しておきましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子