<新潟の食材で作る勝ごはん(6)>

 試合当日は、消化がよく、試合時にエネルギーになるものを中心に食事をすることがポイントです。具体的には、なるべく油を控えて、エネルギー源となるご飯やうどんなどの主食やフルーツを多く食べるようにします。

塩引鮭と車麩丼、力うどん、フルーツのヨーグルトかけ
塩引鮭と車麩丼、力うどん、フルーツのヨーグルトかけ

 今回、餅を使っていますが、2個でご飯茶わん1杯と同じエネルギーをとることができます。コンパクトで食べやすい、と試合前の食事では選手に好評です。

 それから麩。これもエネルギー補給には最適な食品です。試合当日だけでなく、みそ汁に入れるなどして、試合数日前からのエネルギー補給にも使えます。

 試合当日になると食事を作る人も気合を入れたくなり、少し手の込んだものを作りたくなることもあります。でも試合当日は選手も緊張したりするため、普段どおりの食べ慣れているものを食べさせることも、選手にとって試合前のストレスの軽減につながります。

 また、試合前は油だけでなく、生ものや海藻、コンニャクなど食中毒の心配やおなかが張りやすいものは避けるようにしましょう。

熱中症予防に塩引鮭

 サケは筋肉や骨、血液などのタンパク質を多く含む食材です。塩引鮭は保存のために塩分を多く使っているため、一般の人は食塩の取り過ぎが気になるところですが、発汗量の多い選手にとっては、塩分が多く必要なときもあります。

 夏場に熱中症対策で塩を多く使った商品が出回ることがありますが、そういったものを使わなくても、塩引鮭など塩分が多く含まれる食品を取り入れるだけで熱中症の予防になります。

常備しておきたい車麩

 麩(ふ)は小麦粉が原材料です。そのため、主食となるご飯やパスタなどと同じ糖質を多く含むので、エネルギー源になります。運動量が多い場合は、主食を多くするだけでなく、麩を取り入れるだけでもエネルギー量がアップします。

 またアミノ酸のプロリンを含むので膝や足首などの腱(けん)などの成分や、鉄を多く含むことも特徴です。常備しておくと使いやすい食品です。

<材料と作り方(1人分)>

材料

■塩引鮭と車麩丼
精白米…130g
塩引鮭…1切
納豆…1パック
車麩…5g
あさつき…10g
醤油…適宜

①あさつきはみじん切りにする。
②塩引鮭を焼き、ほぐす。

塩引鮭を焼き、ほぐす

③車麩は力うどんの汁で少し煮る。
④ご飯にほぐした塩引鮭、納豆、車麩をのせてあさつきをちらす。好みで醤油をかける。

■力うどん
うどん…1/3玉
キムチ…20g
餅…1個
だし汁…2,5カップ
醤油…大さじ1
酒…大さじ1
ゴマ…小さじ1

①鍋にだし汁、醤油、酒を入れて汁をつくる。
②うどんをゆでる。
③餅はコンロで焼く。
④どんぶりにうどんを入れ、汁をかけたら、餅とキムチをのせ、ゴマをかける。

■フルーツのヨーグルトかけ
プレーンヨーグルト…80g
ハチミツ…小さじ1
キウイフルーツ…1/2個
ブルーベリー…10粒

※1食分あたり=エネルギー/1080キロカロリー

※指導=管理栄養士・川端理香氏、協力=表参道・新潟館ネスパス

(2016年10月11日付日刊スポーツ紙面掲載)