<オフの球児メシ(1)>

成長期の中学球児にとって、シーズンオフこそトレーニング効果を最大にする食事が大切です。最新科学に基づいて、中学球児と保護者、指導者のみなさんが手軽に作れておいしい食事のポイントを、管理栄養士の新出(しんで)真理さんと岩澤茉莉子さんが5回にわたってお届けします。第1回は「筋力&免疫機能アップの簡単朝食」。日ごろの食事にぜひ取り入れてみてください。

朝食にムリなく魚を取り入れる

新出 岩澤さん、先日の相談は無事に解決したの?

岩澤 はい! 監督は筋力と免疫機能の両方がアップする朝食を知りたいって。

新出 共通して、栄養素ではタンパク質とビタミンA・Dが不足しないことがポイントだから、簡単ね。

岩澤 監督、肉ばかりでは脂肪の質やコレステロールが心配なこともご存じで。

新出 そこまでご存じなら、何を知りたかったの?

岩澤 魚料理をとると、タンパク質がとれて脂肪のバランスも良くなる、と保健指導で言われたけど、朝から魚料理は面倒だそうで。

新出 面倒ってことは、ご自分で朝食を作るの?

岩澤 土日の朝食は朝早いから、監督と息子くんが作る当番だそうです。

新出 調理をすると栄養の理解が高まるから良いね。

岩澤 よく、アスリートにとってバランスの良い食事は「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」をそろえるっていうけど、ハードルが高いみたいで。

新出 原則はそうだけど、その要素を取り入れれば良いのに、誤解されがちね。

岩澤 だから、先日、新出さんと講義用に作った簡単メニューを紹介しました。

推し食材「サケ」、フレークなら使いやすい

新出 主食のおにぎりは主菜になるサケのフレークを使えば簡単だし、タンパク質アップ。サケはビタミンDも多い推し食材だからみんなにもっと食べてほしいよね。

岩澤 主菜+副菜の電子レンジ料理も簡単ですね。

新出 マイタケはキノコの中でもビタミンDが多いし、冷凍カボチャとホウレンソウは成長や粘膜の健康に必要なビタミンAがたっぷり。

岩澤 包丁も使わないし、味付けはチーズだけなのに風味があってびっくり。

新出 流行のバナナミルクで果物と牛乳・乳製品もカバー。温めても良いの。

岩澤 給食がない日は、小・中学生ともカルシウム不足の人が多いですしね。

新出 成長に必要な分すら足りないなんて、球児やスポーツする子のトレーニング効果が、もったいない。

岩澤 この量は運動量が多い中学生男子用だから、女子ならおにぎりを2口分減らすようですね。

新出 体重が気になる成人男性は全体の8割が適量ね。

主菜+副菜はレンジ調理、簡単朝食レシピ

プレートの左上から時計回りにサケのおにぎり、イチゴ、野菜と卵のチーズレンジ蒸し。右上はココア風味のバナナミルク
プレートの左上から時計回りにサケのおにぎり、イチゴ、野菜と卵のチーズレンジ蒸し。右上はココア風味のバナナミルク

<主食>
サケのおにぎり(調理時間3分)

材料:2人分
ご飯…480g
サケフレーク…40g
白ゴマ…小さじ2
ノリ…適量

作り方
❶ご飯にサケフレークと白ゴマを混ぜる。
❷握ってノリを巻く。

<主菜+副菜>
野菜と卵のチーズレンジ蒸し(同5分)

材料:2人分
卵…2個
冷凍ホウレンソウ…80g
冷凍カボチャ…80g
マイタケ…1パック

作り方
❶耐熱容器に卵を割り入れ、箸で崩す。
❷冷凍ホウレンソウ、カボチャ、1口大にちぎったマイタケを卵の上に乗せる。
❸スライスチーズをちぎって乗せる。
❹ふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで3分間加熱する。

加熱前の冷凍ホウレンソウと同カボチャ、マイタケに卵とチーズをかけたプレート
加熱前の冷凍ホウレンソウと同カボチャ、マイタケに卵とチーズをかけたプレート

<牛乳・乳製品+果物>
ココア風味のバナナミルク(同3分)

材料:2人分
バナナ…1本
牛乳…300ml
ミルクココア…大さじ2

作り方
大きめのコップに材料全部を入れ、ハンディーミキサーで10秒混ぜる。

<果物>
イチゴ(同2分)

材料:2人分
イチゴ…6個

作り方
イチゴはヘタを取って洗い、器に盛る。

<今回の推し食材>
サケ=免疫や筋肉合成に役立つビタミンDとタンパク質が豊富。塩分には注意。
マイタケ=キノコの中でもビタミンDは最大級。食物繊維がとれるのも魅力。
カボチャとホウレンソウ=ビタミンAが多い。冷凍野菜だと便利。

◆新出真理(しんで・まり)管理栄養士・博士(栄養学)。女子栄養大と同大学院博士後期課程で栄養学を、筑波大大学院修士課程で体育学・健康教育学を修了。ヘルスサポート研究会カナン代表として自治体や企業の健康経営・栄養アドバイザーとして活動する傍ら、医療福祉従事者の養成大学等非常勤講師。女子栄養大栄養科学研究所客員研究員。

◆岩澤茉莉子(いわさわ・まりこ)管理栄養士・修士(保健学)。公認スポーツ栄養士。高校時代はバレーボールに熱中。女子栄養大時代から、野球やラグビーなどのジュニアスポーツ選手を対象に、形態測定の研究や栄養サポートの経験を積む。女子栄養大栄養科学研究所客員研究員。

(2022年1月8日付、日刊スポーツ紙面掲載)