今年7月の「JOCジュニアオリンピックカップ全国中学生カヌー大会(全中)」の女子カヤック2人乗り500メートルで、ジュニア日本代表で大津市立仰木中3年の遠藤帆夏が今西愛依(ともにオーパルカヌーチーム)とのペアで、悲願の初優勝を果たした。昨年3位のリベンジに成功し、レース後はあふれる涙を止められなかった。

 遠藤 中学最後のレースを頑張ろうって意味を込めて、いつもは声をかけない(今西)愛依ちゃんが“ラスト!”って声をかけてくれた。その声で最後のパワーを出せました。

「筋トレ+肉食」で悲願の全国制覇を果たした遠藤帆夏(C)Lakes Magazine

 栄冠をつかんだラストスパートの原動力になったのが、半年ほど前から始めた筋トレと、その後の“肉食”だ。

 遠藤 チームの方針として、身長が伸び続けている間は筋トレをせず、ほぼ有酸素系のトレーニングをします。でも、中学2年の終わり頃から成長曲線が緩やかになったため、本格的に筋トレを取り入れるようになりました。筋トレ後30分以内に“お肉系”を食べると効果的だと聞き、筋トレのある日は祖母が作ってくれた鶏肉の唐揚げやフライ、天ぷら、豚肉のショウガ焼きや豚汁などボリュームのあるものをしっかりと食べます。魚や野菜も一緒に食べることが多いです。 

高校でも日本一を目指す遠藤(C)Lakes Magazine

スタートダッシュに効果

 身長は約170センチ。女子カヌー選手としては長身で将来を期待される逸材は、オリンピック種目の1000メートルを見据えて小学生の頃から持久力を養ってきた。そんな背景もあって、今までは瞬発的なパワーが必要とされるスタートに課題があった。

 オーパルカヌーチームの江口貴彦監督は「中学生は200メートルや500メートルのレースしかなく、距離も短いのでスタートで大きく離されると追いつけない。1000メートルなら、帆夏は高校生にも負けないんですけど。全中で優勝できたのは筋トレでスタートが良くなった? ん~ちょっとマシ(笑)になったからだと思います」と振り返る。

遠藤は女子カヌー選手としては長身で将来を期待される逸材(C)Lakes Magazine

 「筋トレ+肉食」はラストスパートだけではなく、むしろスタートダッシュに効果があった。とはいえ、体重はそれほど増えなかったと遠藤は話す。

 遠藤 結局、体重は現状維持でした(笑)。でも、逆に食べていなかったら、筋トレした分、体重が減っていた可能性もあります。夏だったので食べたくない日もありましたけど、頑張って食べておいてよかったと思います。

 高校でもカヌーは続ける。近い目標は高校チャンピオンだが、その先ももちろん見据えている。

 遠藤 日本代表になって、世界大会の決勝レースに出たいと思っています。

【白井邦彦】

◆遠藤帆夏(えんどう・ほなつ) 2002年(平14)8月6日生まれ。滋賀県大津市出身。小学2年からオーパルカヌーチームに所属。17年7月のJOCジュニアオリンピックカップ全国中学生カヌー大会のWK-1(1人乗り)で3位、WK-2(2人乗り)では今西愛依と組み、優勝。9月にはジュニア日本代表として「オリンピックホープスレガッタ」(チェコ)にも出場。同じく9月よりレイクス・サポートアスリートとしても活動。兄環太(滋賀・堅田高2年)もU-19日本代表。170センチ。