今季からマリナーズに移籍した青木宣親外野手(34)が2月25日(日本時間26日)、日本人メジャーの「大トリ」としてキャンプインした。マ軍のリードオフマンとして期待される今オフは、日本で大ブームの「エゴマ油」で食生活を改善し、体脂肪率7%ダウンに成功。良質の筋肉を身にまとい、悲願の世界一を目指す覚悟だ。

記者の質問にお腹を触って答えるマリナーズ青木宣親(2016年2月25日)
記者の質問にお腹を触って答えるマリナーズ青木宣親(2016年2月25日)

帰国後、6キロ増に危機感

 新天地でのキャンプ初日を終えた青木は、表情だけではなく外見もスッキリしていた。「オフはアッという間。それだけ充実したオフを過ごせたと思う。いい気持ちの中で野球ができました」。同学年で親交の深い岩隈とは、ロッカー室でほぼ向かい合わせ。メジャー5年目で初めて日本人と同僚になった心地よさに加え、自らの体調の良さが、笑顔の要因だった。

 今オフのテーマは「体全体を使い、下(半身)から指先まで連動する」だった。ところが昨オフの帰国直後、久しぶりに味わう日本の美食の誘惑に完全にはまった。「昼から平気でご飯3杯」。その結果、あれよあれよの間に6キロ増。さすがに危機感を覚え、本格的なトレーニング再開時には食習慣を見つめ直した。「今まであんまり気にしなかったけど、悪いものばかり食べてました」。

揚げ物断ち、塩分控えめ

 まずは外食を控え、佐知夫人の手料理に助けを求めた。揚げ物を完全に断ち、塩分は控えめ。「しょうが焼きの脂身も取る」ほど、意識を変えた。

 さらに、ダイエットや美肌に効果的で、大ブームとなっている「エゴマ油」をフル活用。と同時に、有酸素系トレーニングを増やした結果、わずか1カ月あまりの期間で、体重が戻り、体脂肪率が約7%減少した。

 今キャンプにも「エゴマ油」のドレッシング3本を持参。「毎朝サラダにかけてます。キャンプ中になくなるでしょう」と、今や欠かせない常備品となった。「自分は走らなきゃいけない選手。柔らかさのある筋肉量を増やす。食事と同じでムダなものを省きたいですね」。

 大リーグ公式サイトには約82キロと記されているが、果たして現在の体重、体脂肪率は? 質問すると、青木は「今は教えられない。もっと皮下脂肪が落ちるはず」と笑顔ではぐらかした。まだ体質改善は進行中というわけだ。

 4月4日の開幕戦-。「1番青木」が、しなやか、かつシャープな活躍をすれば、それらの数値を明かしてくれるのかも…。【四竈衛】

(2016年2月27日付日刊スポーツ紙面掲載)

エゴマ油

 エゴマはしそ科の植物で、種子から採れるのがエゴマ油。体内では作りだせないα-リノレン酸を多く含んでいるため血液サラサラ効果があり、コレステロールや中性脂肪の低下、高血圧症や動脈硬化の予防、アレルギーの症状の緩和にも効果があるといわれる。また代謝をアップさせるためダイエット効果も発揮し、血液の循環を良くするためくすみ、シワを防止する美肌効果もあると話題になっている。毎日スプーン1杯を摂取するだけで健康と美容に役立つとされており、今大注目されている。

管理栄養士・山崎みどりのコメント

 最近、いろんな所で話題になる「エゴマ油」、認知症・うつ病に効果があると言われていますが、血管を強くし、しなやかにする効果もあります。また、必須脂肪酸のα-リノレン酸を含み、血液をサラサラしてくれます。ただ熱に弱いので、ドレッシング代わりにサラダにそのままかけて食べるのがオススメです。

球界の珍ダイエット

 通算567本塁打の門田博光(元ダイエー)は88年オフから期限を1週間と区切り、毎日ゆで卵7~9個、グレープフルーツ、野菜だけしか口にしない「デンマーク式ダイエット」で週に6キロ減量した。川尻哲郎(阪神)は99年1月、昼食を小麦粉の少ないたこ焼き10個にして、10日間で1・5キロ減。松井秀喜は巨人時代、2リットル1万円の高価なアロエジュースで年間7、8キロ落とした。前楽天監督の大久保博元は現役時代、のどが渇いたら水を飲みすぎないように氷をなめた。