小、中、高校生から「プロテインを飲むと筋肉がムキムキになるの?」とよく聞かれます。確かに、プロテインを飲んだら体に良いことありそう! 筋肉がたくさんつきそう! マッチョになる?! というイメージがあるかもしれません。しかし、残念ながらプロテインを飲むだけで筋肉がつくということはないのです。

あくまでも栄養補助食品、運動の必要

一般的に皆さんが「プロテイン」と言っているのは、気軽にタンパク質を摂取できる粉末や液体のサプリメントのことですよね。そもそもタンパク質は英語で「protein(プロテイン)」で筋肉の材料になるものではありますが、市販されているプロテインは栄養補助食品、あくまで食事で足りないものを補助する食品です。

また、筋肉をつけるにはそのための運動も必要になります。高校生になるとウエイトトレーニングを行うでしょうが、小、中学生ではほとんど行わないと思います。つまり、小中学生がプロテインを飲んだだけでは、筋肉ムキムキの体にはならないのです。

日頃の食事が大切、摂りすぎると体脂肪に

さらに、タンパク質をしっかりと体の一部にするためには、ご飯や脂質(油)などのエネルギー源が必要になるので、普段食べている食事量が少なければ、当然、プロテインをとっても筋肉ムキムキになりません。一方で、肉、魚、大豆製品などのタンパク質源となる食品に加えてプロテインといったように、必要以上にタンパク質をとってしまうと、余剰分は脂肪として体に残ってしまいます。筋肉ムキムキどころか、締まりのない体になる可能性もあるのです。

市販のプロテインは牛乳や大豆が原料

以前のコラムでも説明しましたが、プロテインは牛乳や大豆の原料から糖質や脂質などを除去し、ドリンクや粉末にしたものです。最もオーソドックなホエイプロテインは、「ホエイ」と呼ばれる乳清が成分です。ヨーグルトやチーズといった固形の乳製品を作る時に分離される水分のことになります。

プロテインは場所を選ばず、手軽にとれる利便性もありますが、あくまでも補助ですので、普段の食事を見直し、本当に必要なのかを考えて使いましょう。保護者がプロテインを飲ませる際には、「あくまで食事の不足分を補うもの」ということもきちんとお子さんに伝えておきましょう。

何よりも、いつも食べている食事がとても大切です。成長と運動に必要な分の食事ができる、今はどんな時なのか、シチュエーションを考えて食事ができる、そんなことを続ける当たり前のことが、体作りには大切なのです。

今回は、タンパク質と糖質がとれる副菜「合いびき肉と春雨のピリ辛炒め」を紹介します。このレシピではニンジンと小松菜を加えていますが、お好みの野菜やキノコを入れてもおいしく食べられます。お子様や辛いのが苦手な方は、豆板醤の量を調整して下さい。

管理栄養士・舘川美貴子