新年あけましておめでとうございます。2022年に執筆した自分のコラムを振り返ってみると、「女子アスリート」と言いつつも、脂質やビタミンなど女子に特化したお話をほとんどしていませんでした。2023年は女子アスリートに有益な情報を発信できるよう頑張っていきますので、本年もよろしくお願いいたします。

さて、1月は復習になりますが、女子にしかない「月経」についてお話ししていきます。

現代人の生涯月経回数は江戸時代の4.5倍

成長期を経て、ある程度大人の身体に近づいてくると、卵巣から卵が出て(排卵)、卵管を通って子宮へ運ばれます。子宮はホルモンによって内膜が厚くなり、受精した卵子が着床する準備が整います。妊娠が成立しなければ、内膜ははがれて血液と一緒に体外に出てきます。これが「月経」です。

今よりも栄養状態が悪かった江戸時代は、初経が来るのは15歳頃でした。平均寿命は50歳程度で平均5回は出産していたため、生涯の月経回数は100回以下だったであろうと言われています。現代は平均2人程度しか出産しません。初経年齢は12歳と早まり、閉経は50歳前後と遅くなっているため、生涯の月経回数は約450回まで増えています。

内膜がはがれて血液と一緒に出てくるという現象は身体にとって大きな負担となり、月経回数の増加は卵巣脳腫や子宮筋腫などの病気が増えている一因にもなっています。

赤ちゃんを育てるだけの余裕が身体にあるか

妊娠期間は約10カ月で、赤ちゃんがおなかにいる間はへその緒によって栄養を送り続けないといけません。栄養を送り続けられない母親に妊娠は継続できませんし、そもそも身体が妊娠を継続できないような状態では、妊娠が成立しないようになっていきます。

無月経や月経不順はその1つで、自分の身体を守るための防御行為なのです。月経は面倒くさい、月経がない方が楽だと月経不順や無月経を放置すれば、いずれ競技を辞めて妊娠したいと思ってもできない可能性があります。

体重36.3kg、体脂肪率14.8%が1つの目安

妊娠可能な身体になるためには、成長期を得て初経を迎えないといけません。成長曲線に沿って身長・体重の増加があれば、発育・発達に大きな問題はありません。年齢にあった体重・体脂肪率があることが重要です。

国立病院機構西別府病院スポーツ医学センターの調査(https://nishibeppu.hosp.go.jp/files/000151506.pdf)によると、初経が起きる体重は36.3kg、体脂肪率が14.8%です。これは1つの目安ですが、体脂肪率15%を境に、無月経になる可能性が上がると言われています。

小さい時から競技を始めると、身体作りより技術の向上が優先されることもありますが、ジュニア期は将来の身体を作る重要な時期です。しっかり食べて、適度に動き、丈夫な体を作りましょう。

今回紹介するのは「揚げない大学イモ」です。女子の大好物「サツマイモ」は、食物繊維やビタミンCを多く含みます。特に最近のサツマイモは甘くてスイーツの代わりになるほどです。

大学イモは揚げてから、別に作った蜜に絡ませるという面倒な工程が必要です。揚げることで油の吸収が多く、エネルギーもアップしますが、この「揚げない大学イモ」はサツマイモ2本(200g)に対し、使う油は大さじ2。文字通り揚げずに、別に蜜を作らないので簡単に作れます。

便利な市販の冷凍サツマイモ
便利な市販の冷凍サツマイモ

市販の冷凍サツマイモを使えば、時間も短縮できます。出来上がりは、揚げた大学イモと同じくらいカリッとしていてとってもおいしいです。脂質の摂りすぎが気になる女子は、この調理方法で大学イモを味わってみてはいかがでしょうか。

女子アスリート/管理栄養士・佐藤郁子