<栄養素を無駄なく摂る食べ方:ドライフルーツ編>

レーズンはブドウの果実を乾燥したもので、西アジアや地中海地方で紀元前から利用されていました。ブドウ1kgからできるレーズンは200gほどで、栄養素が凝縮されています。少量でエネルギー補給ができるため、アスリートの補食のほか、登山の際など携帯食として重宝されています。

原料のブドウの種類や加工の仕方によって黒、紫、緑、黄金色などがあります。緑色のブドウでも天日干しすると褐色になります。緑色のレーズンは陰干ししたものです。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
レーズンは、ビタミンB1、ビタミンB6、ミネラルと食物繊維が豊富です。栄養素が凝縮されているので、生のブドウと比べると、ビタミンやミネラルはいずれも多く含まれていますが、エネルギーも約5倍あるので、食べ過ぎには注意しましょう。

レーズンに含まれる糖はブドウ糖、果糖が多く吸収されやすい上、代謝を助けるビタミンも含んでいるので、効率よくエネルギーになります。ミネラルも多いので、発汗とともに失われたミネラルを補うことも期待できます。酸味のもとは酒石酸で、食物繊維は水溶性、不溶性ともに多く、相乗効果で腸内環境が整います。

そのまま食べる以外に、調理の際に甘味料として使うとコクが出ます。ビタミンCと合わせると鉄の吸収率が上がるので、サラダやサツマイモに合わせると良いでしょう。

保存性が高いため備蓄食料にもなります。少量でエネルギー補給ができるので、食欲がないとき、妊娠初期、高齢者にもおすすめです。適量のレーズンは心臓病やガン予防に効果的であるという研究も発表されています。期待される健康効果は、疲労回復、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、貧血予防、整腸作用などです。

保存するなら
レーズンは保存食ですので、長期保存が可能です。未開封の場合は、直射日光を避けて常温で保存できますが、夏場などは冷蔵しておく方が安全です。開封したら、密封して冷蔵保存しましょう。ただ、冷凍すると食感が変わるので、おすすめしません。

【管理栄養士・高木小雪】