秋の果物といえば柿。「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざもあるように、栄養価の優れた食材です。

柿には甘柿と渋柿がありますが、渋の正体はシブオールという水溶性のタンニンで、口に入れると唾液に溶けるため、渋く感じます。甘柿は熟すにつれて、このタンニンが不溶性になり、渋味が感じられなくなりますが、渋柿は不溶性にならないため、渋味が抜けないようです。つまり、甘柿も渋柿も元々、渋の量は変わらないということですね。

ちなみにタンニンは、緑茶にも含まれるフラボノイドの一種で、炎症を抑制し、肌の張りを保つ働きがあります。しかし、鉄の吸収を阻害してしまうので、補食や小腹が空いた時にとる方が良いですね。

甘柿、渋柿、干し柿1個あたりの栄養比較

甘柿と渋柿、天日干しした干し柿(1個あたり)の栄養成分の含有量を比較すると、次のようになります。

出典:日本食品成分表2015年版(七訂)

全体的に、干し柿よりも生で食べた方が栄養価は高いことが分かります。甘柿の方が多いものとして、カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、渋柿の方が多いものとして食物繊維、カリウムが挙げられます。

特に多いのは、ビタミンC。柿1個で成人1日の必要量(60mg)を含んでいます。アスリートは鉄の吸収率を高め、ストレス緩和に役立つビタミンCを1日100mgはとってほしいので、柿もうまく取り入れると必要量がとりやすくなります。ビタミンCは体内に貯蓄できないので、こまめに取ることもポイントです。

また、長時間の試合や練習による筋肉のけいれんを防止するカリウムも豊富です。カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する働きがあり、排便を促して腸内環境を整えてくれる不溶性の食物繊維が多いのも特徴です。

今回紹介するのは「柿のカップサラダ」です。柿の中身をくりぬいて、野菜やツナ、チーズと一緒に食べてみるのはいかがでしょうか。秋を感じさせる補食としておすすめです。

くりぬいた柿を器にして、さらに秋らしく

秋の味覚の柿を1年中食べるには、冷凍保存があります。食べやすい大きさに切ってから保存袋に入れて冷凍すると使いやすいですが、熟したものをそのまま冷凍しても、シャーベットのようになりおいしく食べられます。ペースト状にして密閉袋で薄い板状にしてから凍らせても使いやすいですね。

管理栄養士・山口美佐