今年の夏は、例年のように試合がなかなかできませんでした。目標設定が立たない、春からの練習不十分でイメージ通りに体が動かない、暑さ対策など様々な課題が出た年でもあります。まだ厳しい残暑は続きます。この時期に自分の体を知るためのセルフチェックと、そうならないための「4NO」対策をしていきましょう。

<4NO対策>
(1)疲労をためない
(2)ケガをしない
(3)熱中症ならない
(4)食中毒にならない

これらに対し、栄養面からアドバイスを送ります。

疲労をためない

疲労をためないためには、摂取カロリーと消費カロリーの量が等しいか、摂取カロリーが多くなるよう調整しましょう。暑くて食欲も落ちがちですが、しっかりとビタミンB1を含む豚肉のおかずと、糖質を含むご飯を食べましょう。運動中の水分補給は水やお茶ではなく、糖質の入った水分をとりましょう。

ケガをしない

まずは、良質なタンパク質、つまり肉・魚・卵・牛乳・大豆製品などアミノ酸スコアが高いものをとりましょう。骨を作るカルシウム、関節を作るコラーゲン(タンパク質)をビタミンCと一緒にとりましょう。果物やイモがおすすめです。

熱中症にならない

汗の成分の99%は水分、残りの1%は電解質ですが、熱中症予防にはこの1%分のミネラルをとることです。ミネラルの代表的なものはナトリウムですので、塩分と糖分の入った飲み物をこまめに飲むようにしましょう。みそ汁も良いですね。毎日、練習時間と水分量、気温を確認。トイレで尿の色をチェックし、水分が足りているかどうかも目視で確認。練習前後の体重の減りは、1.5~2%以内にしましょう。

食中毒にならない

衛生管理はさることながら、免疫力が低下すると食中毒にもなりやすくなり、抵抗力が落ちて病気にもなりやすくなります。免疫力を上げるには、カロテンを多く含む緑黄色野菜を油で調理し、体内吸収率を上げます。さらに腸内環境を整えるようにしましょう。

今回は、これらの「4NO」対策に効果的な冷製スープ「夏を乗り切るもりもりポトフ」を紹介します。鶏の手羽からコラーゲン、ハムから疲労回復のビタミンB1、ジャガイモとレモンでビタミンC、牛乳からカルシウムが取れます。冷たいスープは食欲も沸きます。ぜひお試し下さい。

管理栄養士・山口美佐