自粛期間が続き、簡単なもので食事を済ませる日々が続いているかもしれません。運動できる機会も減っていると思いますので、体重管理が大変な時期ですよね。

体重や体脂肪が増えてしまった! という人は、いつもより小麦粉の消費が多くなっていないか、いつもよりお菓子寄りのおやつを食べていないか、出来合いの加工食品の頻度が増えていないかなど、この時期の食事を一度見直してみると良いでしょう。

単品で食べてミネラル・タンパク質不足に

小麦粉を使った製品は、パンや麺がありますが、どちらも小麦粉100%ではありません。食塩や乳製品、砂糖、油、膨張剤などと合わせて作られています。

加えて、ご飯と比較するとおかずが少なくても単品で食べることができてしまいますね。これらの理由から、パンや麺を主食とする場合は、ご飯と比べてミネラルやタンパク質不足、そして砂糖や油を多く摂ってしまう可能性が高くなります。

そのため小麦製品を食べると、ご飯を主食とした時よりも太りやすくなってしまうのです。

腸の炎症からリーキーガット症候群に

また、小麦粉を毎日摂り続けることの弊害としては、腸の炎症が挙げられます。腸の粘膜の隙間をつないでいるのが「タイトジャンクション」と呼ばれるもので、それが緩まると、腸内にあるべきものが腸粘膜の隙間をすり抜けて、血液中に漏れ出します。これが「リーキーガット(腸漏れ)」と呼ばれる現象です。

この原因の1つとされているのが、小麦に含まれるグルテンというタンパク質。グルテンは体内で分解されてグリアジンとなって腸の上皮細胞に結合すると、ゾヌリンというタンパク質が分泌されます。ゾヌリンはタイトジャンクションを形成するタンパク質の結合をほどいてしまい、リーキーガットを引き起こします。

リーキーガット症候群になると、漏れ出した栄養素(未消化のタンパク質など)や異物が血液とともに体内の色々なところに運ばれて、様々な体と心の不調を引き起こします。疲労感や倦怠感、肌荒れやアトピー、筋肉や関節の痛み、生活習慣病とも関連があるとも言われています。

小麦に含まれるグルテンが原因の1つ

もちろん、小麦だけがリーキーガット症候群の原因ではないため、腸内環境をしっかり整える食事(食物繊維やオメガ3系などの良い油を摂ることなど)をすることによって補える部分もあります。しかし、普段より小麦製品を多く、しかも毎日食べ続けてしまうと、リーキーガット症候群になる可能性は高まります。炎症を促進する植物油脂を一緒にとれば、なおさらです。

アスリートとして、毎日の食事と体調を合わせて振り返ることが、コンディション管理・体重、体脂肪管理につながります。繰り返しますが、ここ最近の食生活を今一度、見直してみましょう。

それでもパンが食べたい! という方のために、ご飯を炊き忘れた! という時でも家庭で簡単に出来る「フライパンで作る!青ノリ米粉パン」を紹介します。わずか15分で作れますが、膨張剤(ベーキングパウダー)を使用しているのでリンが多く、マグネシウム不足が懸念されます。それを補うために、青ノリと豆腐を入れました。

簡単でふわふわもちもちの食感が楽しめます。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美