ウイルス、細菌、花粉などから体を守るためには、粘膜の強化が重要です。のどや腸の粘膜で病原菌の侵入を防止します。

そのときに活躍しているのが「IgA抗体」と呼ばれるものです。抗体とは、侵入してきた病原菌にくっついて、これの効力をなくすように働く免疫物質。タンパク質でできていて、免疫グロブリンとも呼ばれます。

IgAが低下すると風邪などの病気にかかりやすくなり、疲労感も高まることが分かっています。また母乳には多くのIgAが含まれていて、赤ちゃんを病原菌から守るという報告もあります。

IgAは鼻汁、唾液、腸の粘膜に多く分泌され、特に腸には多く存在します。病原菌にくっついて動けなくし、便などで排泄したり、病原菌が体の中に入ってきた時は白血球の一種、マクロファージが食べやすい形にするといった仕組みで働きます。

つまり、粘膜の免疫力を高めるにはIgAを増やすことが重要になります。

ビタミンA、グルタミン、食物繊維

IgAは食事で増やすことができます。何を摂れば良いかというと、ビタミンA、グルタミン、食物繊維の3つです。

ビタミンAは、レバー、ウナギ、βカロテンが豊富な緑黄色野菜に、グルタミンは刺身、海藻、卵、肉類などに多く含まれます。のどや鼻の風邪をひきやすかったり、花粉症で粘膜のダメージが大きく、今は風邪をひきたくない! というタイミングでは、よりビタミンAなどの粘膜を強くする栄養素を大めに摂ると良いでしょう。

今回紹介するのは、βカロテン、食物繊維、さらにビタミンCがたっぷりの粘膜強化&抗酸化レシピ「ブロッコリーとニンジンの食べるカレースープ」です。簡単で栄養たっぷりです。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美