腸のもつバリア機能が壊れると、アレルギー症状が出たり、下痢になったりと、様々な影響が全身に現れることを前回のコラムでお伝えしました。アスリートが食事でできることは、毎日のコンディション管理。何と言っても、まずは「腸の健康」が重要です。

アトピー、肌荒れ、花粉症、下痢、便秘etc…これらがパフォーマンスに関係ないと思ったら大間違い! コンディションを管理するとは、そのような症状がないことが前提で、その上で自分の力を発揮できる最高の状態を作り上げていくということです。

激しい運動をするアスリートは、体を駆使することが多く、食事の必要量も増えることから、胃腸の消化力をしっかりつけていなければ、そもそも体が持ちません。ケガといった外的な炎症だけでなく、体の内側にある腸の炎症も起こしやすい状態にあります。その結果として、全身に悪影響が及んでしまうのです。

おなかの調子がイマイチ、体調がよく悪くなる、貧血が治らないといった症状がある人は、腸のバリアを修復する栄養素をとることをお勧めしています。腸の消化力を高めることができれば、ほとんどの不調は良くなる、といっても過言ではないでしょう。

骨を煮込んだコラーゲンスープ

そこで紹介するのが、ボーンブロススープ。肉や魚の骨を煮込んだコラーゲンスープです。

焼肉店ではテールスープ(牛の骨)、ラーメン店ではとんこつスープ(豚の骨)、韓国料理店ではサムゲタン(鶏ガラ)がありますが、これらもボーンブロススープです(※)。

ボーンブロスは、タンパク質が消化しやすいアミノ酸(グルタミンやグリシン)の状態になっているため、消化に負担がかかりません。さらに、アミノ酸が腸の粘膜を修復し、炎症を抑えるのに役立ちます。

髄液の栄養素で貧血改善にも役立つ

また、煮込むことで、骨髄に含まれる栄養素も取り入れることができます。牛骨や豚骨の赤色骨髄(割ると中が赤い)は、貧血の改善にもオススメです。

今回紹介するのは、手軽に手に入る鶏手羽元を使った「サムゲタン風鶏手羽スープ」。基本のレシピですので、ご家庭にある野菜を色々と入れてもらってOKです。風邪の治りかけにも最適です。ぜひお試しください。

※「○○スープの素」といった化学調味料で作られているものはオススメしていません。あくまで、本物の肉の骨を煮込んだものに限ります。

管理栄養士・園部裕美