基本の食事から試合の食事に応用する第1弾として、前回は緊張していても食べられるよう「皿数を少なくする」テクニックについてお話ししました。

今回は「試合前日の食事」についてです。

スポーツ栄養学では、試合前日から当日は糖質を多めに摂ることがスタンダードですが、主食を多くすると量が食べられない選手が、特に小学生に多く見られます。

胃の容量は、小学入学頃は大人の約2分の1と言われています。そこから大人になるまで少しずつ育っていきますが、中学生でもまだまだ胃の容量は大人ほど大きくはありません。

普段の食事なら食べられるジュニア選手であっても、試合前に同じ物をたくさん食べなければならないとなると精神的な負担となり、試合当日は糖質摂取を考えて、おにぎりやパンばかりでは飽きてしまうこともあります。

ジャガイモや長イモを活用

ここで視点を変えて、糖質を主食だけではなく、主菜や副菜で摂ることを考えていきましょう。

主菜・副菜で糖質摂取に使いやすい食品は「イモ類」です。同量食べたときに糖質量が多いイモはサツマイモですが、食物繊維が多いため、試合前はあまり適していません。食物繊維が比較的少なく、糖質摂取ができるのは、ジャガイモや長イモですので、これらをうまく利用しましょう。

試合前、緊張していて食欲がなくても食べやすい「アッサリ!豚ロースのコロコロマッシュポテト」
試合前、緊張していて食欲がなくても食べやすい「アッサリ!豚ロースのコロコロマッシュポテト」

今回は、ジャガイモを潰してマッシュ状にしたものを豚肉で包んだ「アッサリ!豚ロースのコロコロマッシュポテト」を紹介します。

マッシュポテトは緊張していてものどを通りやすいので、試合でも使いやすい料理です。ソースはリンゴ酢を使っているので、ツンとした刺激も少なく、見た目よりアッサリさわやかに食べられます。

前回は「皿数を少なくする」、今回は「主菜や副菜で糖質を摂取する」をテーマに、普段の食事を試合に向けて展開する工夫をお伝えしました。次回は「主食のひと工夫」です。

管理栄養士・松田幸子

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