2回にわたってお伝えしてきた身長を伸ばしたい競泳男子選手の話は、今回が最終回です。

 サポートの方向性が決まったら、課題を決めて実践です。選手には下記の3つをメールで随時連絡してもらいました。

【主食量】→目分量で盛っても適正量を食べられるように、量りを使って練習。

【毎朝の体重測定・体調】→男子選手の身長の成長ピークは、体重減少や体調が変化しやすいため。

【3回の食事+補食写真】→内容チェック後、食品選択や調理の工夫を返信。それを選手から保護者に伝える。

保護者でなく選手主導で

 「家族から出されたものを食べる」のではなく、「選手の体を作る食について、選手自身が率先的に参加する」。このスタイルを取るのが、私が行うサポートです。もちろんサポート中、保護者にきちんと伝わっているかどうかのチェックも行います。

 この選手のサポートは6年間行い、高校卒業とともに終了しました。両親の身長から割り出した予想最終身長は176センチ弱でしたが、この3つの課題を行ったことで、最終的にはコーチの言っていた180センチまであと3ミリの179.7センチになりました。サポートスタイルは選手1人1人さまざまですが、「当たり前のことを当たり前にやった人」には最後は結果がついてくると思います。

「素早く完成!がんもどきと小松菜の煮浸し」
「素早く完成!がんもどきと小松菜の煮浸し」

 今回紹介するレシピは「素早く完成!がんもどきと小松菜の煮浸し」です。

 身長が伸びている時には、その後の骨の成長ピークを考え、カルシウム摂取や吸収効率を上げる食材選びも不可欠です。しかし、カルシウムを摂っただけでは骨は強くなりません。カルシウムの体内バランスに関係するマグネシウム、骨の材料でもあるタンパク質も必要です。

 副菜は、野菜だけではなくタンパク質が摂れる食材を加えたり、ノリやゴマなどマグネシウムの多い食品をご飯のお供にするのも成長期の食事の工夫の1つです。ぜひ参考にしてください。

管理栄養士・松田幸子