今回から3回にわたり、あるサポート選手の実際あった話をしましょう。

 中学入学からサポートを始めた男子選手。コーチに「戦うには、身長が180センチぐらいは欲しい」と言われたそうです。リオ五輪の日本男子競泳選手18人は172~193センチですから幅はありますが、体格がよいのは競泳では有利だとは思います。

 話を戻します。最初に、男子選手の予想される最終身長を確認してみました。ご両親の身長から出した予想最終身長は176センチ弱。コーチが示した値とは4センチの差があり、目標達成はなかなかの難題です。

 180センチにするという目標到達へのポイントは

しっかりと身体を動かしているか
材料となる食事を適切に食べているか
睡眠がしっかりとれているか

 につきます。「当たり前のことを当たり前に行う」のが、唯一の方法です。

 このサポートでは、準備段階から身長が一番伸びる時期を超えるまで「身長に良さそうなサプリメント」は全く摂取していません。さらに、保護者には全て手作りにするより「頑張らないごはん作りでサポートする」ことをおすすめしました。この選手がどうなっていくのかは、次回に続きます。

主食でありながら主菜と同様のタンパク質も摂れる「中華風もちもちお稲荷さん」
主食でありながら主菜と同様のタンパク質も摂れる「中華風もちもちお稲荷さん」

 さて、今回紹介するメニューは「中華風もちもちお稲荷さん」です。中学1、2年生では、必要な1食の量を食べ切るのが難しいお子さんが多く、その場合は少量でエネルギーが摂れる脂質を上手に使います。

 このお稲荷さんは、エネルギーがしっかり摂れる主食でありながら主菜と同様のタンパク質も摂れ、これだけで同世代の一般中学男子が必要とされるカルシウムの約半分を摂取できます。乳製品を付ければカルシウムがさらに摂れるので、選手の適正量をクリアできるでしょう。

油揚げの上で菜箸を転がすと口が開きやすく、ご飯を詰めるのが簡単に
油揚げの上で菜箸を転がすと口が開きやすく、ご飯を詰めるのが簡単に

 油揚げの上で菜箸を転がすと口が開きやすく、ご飯を詰めるのが簡単になります。お稲荷さんを上手に詰める工夫です。

【管理栄養士・松田幸子】