硬式テニスに長期オフはありません。4月から高校生最後の学年となるハヤタは、春の試合に向けて練習に励んでいます。たくさん食べ、練習やトレーニングを繰り返し、少し体が大きくなってきたと感じています。チームで体組成をこまめに測っていますが、今回、体脂肪率も増加傾向であることが分かりました。

「体重だけでなく、体脂肪率も指標にした方がいい」と知ったヨウコさんは、ハヤタの体脂肪率を減らすために、食事の脂質の量を減らしてエネルギーを摂る方法を調べました。おなか周りの脂肪が気になっているキュウジさん、体を絞ってスタイルを良くしたい自分や娘のエミのことも考えて、お弁当メニューを考えました。

2月の明日山家は「体脂肪ダウン」がテーマ

体重だけでなく体脂肪率もチェック

体作りにおいて、増量・減量などアスリートの目的は様々ですが、減量したい時は体脂肪を抑えて筋肉量を維持、もしくは増やすことがポイントとなります。そのために体重だけではなく、体脂肪率も必ずチェックすることが大切となります。

体内でエネルギーを生じる栄養素は、糖質・タンパク質・脂質です。1食の食事が同じカロリー(エネルギー)でも、どの栄養素が多いかで体への影響は変わってきます。

脂質が多いと体脂肪がつきやすくなります。糖質も運動しなかったり、食べすぎたりすると体脂肪となるため、運動と食事を組み合わせて糖質でエネルギーを摂ると良いでしょう。

果物で糖質+ビタミン・ミネラル

果糖でエネルギー源となるほか、ビタミン、ミネラルの補給源にもなる果物はアスリートの強い味方です。消化酵素も含まれているため、体内でタンパク質の消化を助けます。

果物摂取のメリット

運動時のエネルギー源になる糖質を多く含む
果物は重量の8~9割が水分。エネルギー源となる糖質と一緒に水分を補給できる
疲労回復を促すといった抗酸化作用のあるビタミンCやEを中心に、ビタミン類が豊富である
細胞の機能を支え、筋肉の収縮にかかわるカリウムやマグネシウムなどのミネラルを含む
腸内環境を整え、便秘の予防や免疫の働きをサポートする食物繊維も豊富。食物繊維は食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがある
消化酵素が含まれており、タンパク質の消化を助ける働きがある

ビタミンCは適量に、摂りすぎ注意

ビタミンは摂れば摂るほどいいわけではありません。水溶性のビタミンCは、1度の摂取量が200mgまでは血液中の量が増えますが、それ以上はあまり増えないと言われています。摂りすぎるとストレスになってしまう可能性もあります。特にサプリメントを利用する場合、過剰摂取に注意が必要です。

ビタミンCやビタミンB群は体に貯めておけず、余分なものは排出されてしまうので、一度にたくさん摂るよりも、毎回の食事でこまめに摂る方が効率的です。

果物の1日の摂取目標量は

厚生労働省は、果物の1日の摂取目標量として200g(可食部)を推奨しています。この量は、リンゴや梨なら1個、ミカンやキウイフルーツなら2個、バナナは2本に相当します。アスリートはエネルギーを多く消費するため、もう少し多めの250gを目安にすると良いでしょう。

果物を食べるのが難しい場合は果汁100%ジュース、果物入りのゼリーやヨーグルト、スムージーなどで摂るようにしましょう。補食にもおすすめです。

ヨウコさんはこれらのことから、良質なタンパク質と糖質がしっかり摂れる「牛丼」と果物たっぷりのヨーグルトをセットにした「体脂肪を減らす!牛丼と果物たっぷり弁当」を作りました。

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