体重制限や筋力アップのために、脂質を抑えた食事をしているアスリートもいることでしょう。特に肉類では、鶏むね肉やささみなどの脂質が少ないものに偏って選択している方が多いように思います。

しかし栄養面からみると、何か1品に偏った食事をすることは、他の食品から得られる栄養素がとれないことになってしまいます。日々の食事は楽しみの1つでもありますね。様々な食品から栄養素を満たして、良いコンディションを維持してほしいと思います。

今回は肉に含まれる脂質について紹介します。まず、肉(100gあたり)の脂質を一覧にした下の図を見てください。

ここに挙げている部位は比較的、脂質が少ないものです。調理油に気を付ければ、100gで脂質10g前後に抑えることができ、タンパク質も20g程度と1食分として十分な値がとれます。この表を参考に色々な肉の部位を楽しみながら調理し、脂質のコントロールをしてみてくださいね。

脂質オフを意識するあまり、エネルギー不足の状態が長く続くと、身体の不調をきたすリスクが高まります。もし、脂質コントロールをするなら期間を決めて実施し、タンパク質や炭水化物も、活動や運動に必要な分をしっかりとるよう、エネルギー補給をしていきましょう。

今回紹介するのは、「鶏もも肉とレンコンとキノコの甘辛炒め」です。もも肉の皮を落として調理油を少なめにすることで脂質を抑えることができるので、普段、むね肉やささみ中心で脂質をコントロールしている選手にも試して欲しい一品です。

脂質を抑える場合は、代わりに糖質の多い食材を使ってエネルギーの摂取不足にならないように気を付けましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子