学校のある時期は給食を食べている小学生や中学生は、夏休みなど給食を食べない時期に不足しやすい栄養素があります。カルシウムです。

給食では、小学校高学年(10~12歳)で360mg、中学生(12~14歳)で450mgのカルシウムがとれるように献立が構成されていますが、自宅での昼食で同量のカルシウム量は摂れているでしょうか。今回は、意識してとりたい栄養素の1つである「カルシウム」について説明します。

疲労骨折の予防にはカルシウム?

疲労骨折をするジュニアアスリートは少なくありません。疲労骨折は、同じ部位を繰り返し使うことによって起こるもので、筋力や柔軟性が不足した状態で、過度な動きを行った場合に多く起こります。

さらに女性アスリートは、エネルギー不足によって女性ホルモンの分泌量が不足し、その結果、骨密度が十分でないことも誘因となります。まずはエネルギー不足に陥らないように、主食、主菜、副菜をそろえたバランスの良い食事をとることが大切になります。

思春期は人生の健康を左右する時期

成長期は身長が伸びて、除脂肪量や体重が増え、初経が始まる時期です。この時に骨密度もぐっと上がります。この時期にエネルギーや、骨の構成成分であるカルシウムなどのミネラルが不足すると、骨密度が上がりにくいといった状況に陥ります。

女子アスリートの場合、骨密度の増加スピードがピークとなる時期は小学校高学年から中学生にかけての数年、いわゆる思春期です。この時期は体の変化が大きく、戸惑うこともあるでしょうが、人生の骨密度を左右する、健全な発育発達を促すために大切な時期です。

体重が増えることに躊躇(ちゅうちょ)するのではなく、大人の体に変わる過程ととらえ、バージョンアップした体で次のカテゴリで勝負できるように、エネルギーの消費と摂取のバランスを調整しながら進めていきましょう。体調管理に不安がある場合は、是非アスリート外来にお越しくださいね。

カルシウムは1日のどれくらいとればいいの?

様々な食品の中でも、乳製品にはカルシウムが多く含まれています。朝食でヨーグルトをとっているケースが多く見受けられますが、それだけではカルシウム量は満たされません。3食の食事をしっかりとった上でもう1品、ヨーグルトなどの乳製品を追加すると、比較的必要な量が満たされるようです。

乳製品にアレルギーがある場合は、小魚や大豆製品などを利用しましょう。骨密度が上がるのは「20歳まで」といわれています。この時期しかない人生の大チャンスを逃さないようにしましょう。

夏休みも3食欠かさず食べることが前提

長期休み中は朝起きる時間が遅くなり、朝食を食べずに昼食と夕食の2食になってしまうこともあるようです。また、いつもより練習時間が長くなったり、合宿に行くなど運動量が増えるケースもありますので、消費エネルギーを補うために主食量を増やしたり、補食をとったりするなど、食事の全体量も増やしていきましょう。

1日3食のうち1食でも欠食してしまうと、残りの2食で運動に必要な量をとるには難しいのが現状です。朝起きるのが遅いと、必然的に夜寝るのが遅くなりやすく、生活リズムも夜型にシフトしてしまいます。まず、3食しっかりとり、エネルギー不足を予防することが大切です。また、睡眠時間を確保するためには、いつもより早く寝ることを意識して生活リズムを整えましょう。

今回紹介するレシピは「マンゴーヨーグルトスムージー」。ヨーグルトと牛乳をダブルで利用しているので、カルシウムが補給できます。冷凍マンゴーと一緒にミキサーに入れ、はちみつで甘味調整するだけ。わずか5分で作ることができます。

カロリーオフをしたい場合は無脂肪の乳製品を利用したり、鉄の補給をしたい場合は鉄が強化された乳製品を使ったりと、目的に合わせて組み合わせましょう。食事に合わせるだけではなく、朝練の前の補食やおやつとしてもおすすめです。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子