体重の変化やパフォーマンス低下、不定愁訴 

エネルギー不足の場合は身体がサインを出すので、見逃さないようにしましょう。食事量が十分に摂れていない(摂れているつもりでも摂れていない)と考え、食事量を増やす必要があります。

まず、体重が減少します。そのほかタイムが落ちたなどのパフォーマンスの低下や日中の眠気、気分の浮き沈みなどの不定愁訴が現れます。

朝食の時間が十分に摂れない時は、学校に着いてから朝食の不足分を食べましょう。朝練がある場合は、朝食の不足分と朝練で使う分をイメージして、前後に補食を入れます。

さらに、午後の練習前後の補食は欠かさず摂るようにしましょう。夕食時間が遅くなり、体重増加が気になって食べる量を減らす場合や疲れて食欲がない場合には、練習後の補食で炭水化物とタンパク質をしっかり摂りましょう。ここで補食がしっかり摂れていれば、夕食が少なくてもカバーできます。

補食でエネルギーを確保、すき間時間を生かして

生活環境が変わる春先のこの時期は食欲がない選手もいるので、栄養バランスにあまりこだわらず、エネルギーの確保を優先します。まずは食べられるもの、食べやすいものから食べても良いと思います。ある程度リズムがつかめてきたら、エネルギーとバランスの両方に気をつけるようにすれば良いのです。

3食にこだわらず、すき間時間にエネルギー補給できるような補食を持ち歩き、意識して摂るように心がけると良いでしょう。体重減少がなくても不定愁訴が見られる場合、逆に体重が増加している場合は栄養バランスが悪いと考えられます。毎食主食、主菜、副菜が揃っているか確認し、揃えるようにしましょう。

今回、紹介するのは補食にピッタリな「ポリ袋で作るマフィンとスコーン」です。ポリ袋にホットケーキミックスなどの材料を入れて混ぜるだけなので、家で簡単に作ることができ、甘さや大きさも調整できます。一度にたくさん出来上がっても冷凍保存が可能なので、朝食にパンがない時などにも活用できます。

一口サイズの補食を何種類か準備

補食はおにぎりなど何でも構いませんが、「時間がない」「おなかがすいていない」「周りの視線が気になる」「たくさん食べると動けない」など様々な理由で躊躇する選手が多くいます。すき間時間に補食でエネルギー不足を補うためには、ちょっとつまめるように1つ1つを小さくするのがポイントです。

小さい補食をいろいろ食べることで、その後の練習に差しさわりのない量、本人が食べたい量を食べることができます。一口で食べることが出来るので、時間がなくても食べやすく、周りに気づかれにくいようです。

一口サイズの補食セット
一口サイズの補食セット

この写真は、選手が補食を摂りやすいようにカップゼリーや蒸しパン、フルーツ、ウエハースなど何種類もの小さい補食を保存容器に入れて毎日、持たせているお母さまから教えてもらったものです。入れていくものは「カボチャの茶巾」「ようかん」など何でもOKなので、食べたいものを入れていけば補食が楽しくなるような気がします。選手の皆さん、時には気分転換も兼ねて、お菓子作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

女子アスリート/管理栄養士・佐藤郁子