カルシウムと一緒に摂りたい栄養素

(3)カルシウムの吸収を促すビタミンD

ビタミンDは、骨の材料であるカルシウムの吸収を高めるはたらきがあります。日光に当たることでも体内で合成されますが、日々ハードなトレーニングを繰り返しているアスリートは、骨強化のために食事からも意識して摂り入れることが大切です。

ビタミンDは主に魚に多く含まれているため、魚を食べる頻度が少ないと不足しやすくなります。魚をなかなか食べられないときは、ビタミンDが強化された卵や乳製品などの食品も上手に活用してみましょう。

ただ強化食品を摂りすぎると、健康に悪影響を及ぼすため、摂取量を守ることが大切です。プロテインなどに添加されていることもあるので、しっかりと栄養成分を確認し、摂りすぎていないか確認しましょう。特に未成年がビタミンDのサプリメントなどを使用する場合、摂りすぎになることが少なくありません。耐容上限量を確認して活用してください。

ビタミンDの食事摂取基準(㎍/日)

※単位はμg(マイクログラム)
※単位はμg(マイクログラム)

ビタミンDが多い魚
サケ、イワシ、サンマ、カレイ

ビタミンDが強化された食品例
・ヨーグルト、乳飲料
・牛乳
・卵

(4)骨の形成を助けるビタミンK

ビタミンKは骨をつくるはたらきを促進し、骨を壊すはたらきを抑制するという役割を持つ栄養素です。これにより、骨の材料であるカルシウムやリンの減少を抑えることができると考えられます。

ビタミンKが多い食品
・納豆
・ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜などの緑黄色野菜

これらのポイントを踏まえた献立は以下の通りです。参考にしてください。

骨強化のための献立一例(朝食をイメージ)

【骨強化の献立一例】サンマのつみれ和風ミルクスープ、発芽玄米ごはん、切り干し大根の煮物、納豆、ヨーグルト、100%グレープフルーツジュース
【骨強化の献立一例】サンマのつみれ和風ミルクスープ、発芽玄米ごはん、切り干し大根の煮物、納豆、ヨーグルト、100%グレープフルーツジュース

・サンマのつみれ和風ミルクスープ
・発芽玄米ごはん
・切り干し大根の煮物(カルシウム)
・納豆(ビタミンK)
・ヨーグルト
・100%グレープフルーツジュース

参考:
・Thomas D.T. et al., American college of sports medicine joint position statement. nutrition and athletic performance. Med Sci Sports Exerc, 48(3):543-68, 2016
・Mountjoy M, et al., International Olympic Committee (IOC) consensus statement on relative energy deficiency in sport (RED-S): 2018 Update. Int J Sport Nutr Exerc Metab, 1;28(4):316-331, 2018

管理栄養士・廣松千愛