【スコッツデール(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=四竈衛】メジャー2年目を迎えるマリナーズ菊池雄星投手(28)が、同地で自主トレを再開した。米球界は新型コロナウイルスの影響でオープン戦中止、開幕戦延期の状態。その一方で、思うように練習できない日本の子供たちへ、自らの少年期の経験をもとに助言を送った。

マリナーズ菊池は、自主トレを再開。近郊の公園でキャッチボールを行う。

春季キャンプが打ち切られ、18日までに球団施設が閉鎖される中、菊池がトレーニングを再開した。現段階で他州と比べて感染者が少ないアリゾナとはいえ、繁華街でも人通りが激減し、レストランをはじめ自粛ムードが漂う。練習は完全プライベートのジムと一般の公園を利用。菊池は少年期の経験を踏まえ、日本の子供たちへ思いをはせた。

「僕はひたすら壁当てをやってました。壁が友達みたいな…(笑い)。自宅車庫の横の50センチくらいの小さい壁。それを外れると、ウチの車に当たってしまうので、車に当てないようにずっとやってました。フィールディングの練習にもなるし、コントロールの練習にもなります」。

少年時代の菊池は、野球だけでなく、水泳、バレーボール、器械体操にも取り組んだ。水泳では背泳ぎで県大会に進出し、体操ではバック転、バック宙をこなすなど、まさに万能選手だった。野球の壁当てだけでなく、自宅の階段でダンベルを持って3段飛ばしで走るなど、“コソ練”で基礎体力を強化した。

「ひとりの時間をどう使うか。こういう事態に限らず、スポーツ選手には一番大事なこと。チーム練習プラス自分で何ができるか。そこで差が出ると思う。特に小中学生の時はいろんなスポーツをやっていて良かったなと思います」。

マリナーズ菊池は、自主トレを再開。ヒザを付いたままのキャッチボールを行う。

この日は、自らも“コソ練”を再開。キャンプ打ち切り後、1週間は家族と時間を過ごすなど、完全休養に当てた。現時点で開幕予想は5月下旬から7月までと流動的で、具体的な調整プランは立てづらい。ただ、今後も同地で調整を続ける予定で、じっとしているわけにもいかない。「追い込みすぎてもいけないし、抜きすぎてもいけない。より良くなる期間だと思うしかない」。飛躍を期す2年目。混沌(こんとん)とした状況下でも、菊池の視線、姿勢は、少年期から変わっていない。

(2020年3月24日、ニッカンスポーツ・コム掲載)