夏休みはスポーツの練習時間が増えたり合宿が行われたりし、強化期間になることも多いでしょう。すでに夏バテ気味になっている選手もいるようですが、残り約1カ月間をどのように過ごすかが、パフォーマンスを高めるためにも重要になります。

そこで、夏のパフォーマンスアップのために押さえたい3つの栄養ポイントとおすすめ食品を紹介します。

1、夏の暑さに負けない水分補給

水分には体温調節という大事な働きがあります。汗をかくことで体熱を外に逃がすため、汗をかけるだけの水分を運動前から運動中にかけて補給していくことが大事です。汗にはミネラルも含まれていて一緒に流れ出てしまうので、水分とともにミネラル、特にナトリウムを合わせてとることが必要になります。

おすすめの飲料

・スポーツドリンク
 特徴:水分とナトリウムを補給でき、糖分が入っていることで吸収されやすい。薄めないで飲むこと

・とり方
 運動前からこまめに、15~20分ごとに補給する。運動中にこまめな補給ができない場合は運動前の補給がより重要となる

2、消費に合わせたエネルギー補給

運動によるエネルギー消費量が多くなれば、より多くのエネルギーを摂取する必要があります。しかし、暑さで食欲が低下し、食べないことでエネルギー不足が生じやすく、運動中のパフォーマンス低下や回復の遅れによる疲労蓄積などにつながります。食べやすいものを少量でもいいので、こまめに補給することが大切です。

おすすめのメニュー

・冷やし茶漬け、冷やし麺、一口あんぱん、ゼリー飲料

・とり方
 暑い時には冷えた状態でとると食べやすい。持ち運ぶ際には保冷剤を入れたクーラーボックスや保冷ジャーを活用

3、体作りのタイミングを逃さずにタンパク質補給

練習や試合前の栄養補給を意識すると、動き出す時間に合わせた「エネルギー補給」にばかり目が向き、タンパク質が不足しやすくなります。タンパク質は体を作る(体を作り替える)ために必要な材料なので、練習や試合が連日続く中でいかに補給できるかが重要となり、疲労回復のカギにもなります。3~4時間おきにとることで筋肉の合成を促すことができるので、できるだけこまめにとることを心がけましょう。

おすすめの食品

・牛乳(低脂肪牛乳)、ヨーグルト、蒸し鶏、ゆで卵(温泉卵)

・とり方
 食事としてとる場合は、消化時間を考えて運動を始める3~4時間前までに。運動の合間にとるなら、できるだけ消化しやすい飲料や半固形食品、脂質の少ない食品を。

これらの3つのポイントを押さえて水分・栄養を補給することで、運動中のパフォーマンスを維持することができます。これによって、さらに質の高い練習を行うことができれば、パフォーマンスアップも期待できます。次の練習に向けて、練習後の疲労回復も重要になるので、帰宅後の食事や睡眠もしっかりとり、体を休めることも意識しましょう。

今回紹介するメニューは、夏でもさらっと食べられる「サバとキュウリの冷やしだし茶漬け」です。シソやミョウガやゴマの風味がたって食欲をそそり、さっぱりといただけます。

サバの水煮缶でタンパク質、スープで水分と塩分、ご飯でエネルギーが補えます。夏バテ対策にもおすすめの1品です。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美