「やっぱり、プロテインってとった方がいいですか?」

ジュニアアスリート向けのセミナーをすると、必ずと言っていいほど保護者からも指導者からも多く出てくる質問です。特に、「身長の伸び悩みがある」「体重が増えない」「筋肉がつかない」というお悩みを持っている方から多く寄せられます。

プロテイン=タンパク質

まず、「プロテイン(protein)」は日本語訳すると「タンパク質」です。いわゆるプロテインの商品名で流通しているせいか、このことを認識していない方も意外と多く、驚かれる方もいます。

単にタンパク質なわけですから、食品からでも十分にとることができます。ただし、何を目的にとるのか、いつとるのか、ということがポイントになります。実際に、身長の伸び悩みのある中学1年男子の親子から受けた質問を例に、紹介していきましょう。

<ある中学1年男子の親子の例>

(1)最初に確認したこと

成長曲線…いつ頃から伸び悩んでいるのか
食事回数や頻度…食事のタイミング
食品摂取頻度…栄養バランス
血液検査・・・栄養不足の有無

(2)状況把握 

これらから見えてきたことは次の通りです。

・少年団でスポーツを始め、同時期に塾に通い始めたころから伸び悩み始めた→睡眠時間の減少
・食事は3食食べているが、量は少ない
・血液検査でタンパク質の不足がみられる→エネルギー、タンパク質の不足

(3)対策アドバイス

まだ二次性徴期に入って間もない時期であり、これからどんどん食事量を増やしていかなくてはいけない時。ここで次の対策をアドバイスしました。

睡眠時間の確保(塾がない日だけでも早く寝るようにする)
食事(特にエネルギー源となるごはん)を少しずつ増やす
「プロテイン」の選択は部分的に活用(塾で食事が夜遅くなってしまうとき)

問題点は複数、親子で確認を

このように、問題点は1つではなく、複数のことが多くあります。後戻りできない大事な成長期ですので、単に1つの食品で解決しようとせず、多面的に対策をしていくことが大切。これが日々の体調管理や、スポーツ活動においては質の高い練習、パフォーマンスの向上へとつながります。

また、親子で確認したことで、親は具体的な対策が見え、子どもは意識的に食べるようになったという相乗効果も生まれていました。ぜひ、親子で一緒に今の状況をしっかり見つめ、目的と必要な対策について考えましょう。

今回紹介するレシピは、パクッと一口で食べられて補食やおやつとしてもおすすめの「ころころポテトボール」です。混ぜ込む具を工夫するといろんな味や栄養を楽しめます。

今回のレシピはタンパク質食材のツナやひき肉を使用していますが、青ノリやゴマやチーズなどを使用すると鉄やカルシウムなどのミネラルがとれ、色も付いてカラフルに仕上がります。具材や調味のアレンジでいろいろ試してみてください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美