こんにちは、鹿児島の長島です。朝晩、ぐっと冷え込むようになりましたね。今回は「朝食にタンパク質を」というお話です。もちろん、朝食にかかわらずタンパク質は重要ですが、体作りにおいて1日のタンパク質摂取量を満たすためにも、朝食は「穴」になりやすい部分なのです。

体作りに使われる量に上限

タンパク質は、食べたら全て体作りの材料として使われるのか、というと、そうではありません。体作りに使われる量には上限があります。

筋タンパク質合成を活性化する1回のタンパク質量は20g~40gと言われており、最低でも1食あたりタンパク質を20gは摂取したいところです(下記グラフ参照)。

20gは、主食+おかず(主菜)なら簡単にクリアできますが、パンのみ、おにぎりのみの食事では、タンパク質摂取量がわずかなため、大きく不足=穴となります。「体作りを大きくしたいけどできない」という選手の食事を紐解くと、朝食に穴がある場合が多いのです。

例えば、体重60kgの選手が体作りをしたい場合、1日に必要なタンパク質量が120g(2g/kg体重として算出)として食事の構成を考えると、下記のイラストのようになります。

だいたい1食につき、タンパク質を含む食品は3種類を意識するとよいでしょう。種類をカウントする癖がつくと、不足に気付きやすくなります。

腹持ち良く集中力もキープ

また、朝食にタンパク質を摂ると、「糖質+タンパク質」で腹持ちが良くなるという利点もあります。

食事は口に入った後、消化・吸収を経て初めて体作りの材料となります。糖質の胃の中の停滞時間は、ご飯一膳で約2時間、肉類などのタンパク質食品は約4時間と言われています。糖質のみの食事では消化が良いため、すぐにおなかがすきますが、タンパク質を加えると消化に少し時間がかかるため、腹持ちも良くなります。

消化に時間がかかるということは、血糖値にも影響を与えます。血糖値を長時間維持するならタンパク質を一緒に食べる。これができれば、お昼ご飯まで集中力を切らすことなく、授業や練習に取り組めるでしょう。

今回紹介するのは、タンパク質を意識した朝食メニュー「じゃこまめトースト」です。スライスした食パンの上に、チーズ、枝豆、シラスをのせ、マヨネーズをかけてトースターで焼くだけ。これでタンパク質は17.8g摂れるので、あと1品、卵や牛乳などを加えればクリアします。

忙しい朝でも、これなら作れるはず。カルシウムも多いので、骨強化にもなります。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・長島未央子