この夏は3年ぶりに行動制限要請がなく、SNS上ではさまざまなスポーツの「3年ぶりの合宿」が投稿されていました。家族旅行でも公共のマナーなど学べることはたくさんありますが、家族と離れる合宿は、より子どもが学び、成長できる場です。

親や兄弟に頼っているつもりがなくても、普段の生活では意外と甘えている、やってもらっていることが多いものです。合宿では自分でやらなければならないことがたくさんあり、誰も代わってくれません。自立のために、合宿はとてもいい機会です。

環境が変わることで、食事面でもよく変化が起きます。普段は好きなものだけ食べている子どもも、合宿では出されたものを残さないようにと言われるでしょう。自分が苦手なものを、仲間がもりもりと食べている姿を目にして、「食べてみたらおいしかった」と自然と食べられるようになることもあります。

野菜を味わって!昼食のおかず弁当を提供

私もこの夏、合宿に参加しました。いつもはオンラインで栄養セミナーをしている東京のチームが山梨県立八ヶ岳少年自然の家で合宿を行ったので、その昼食に加えるおかずを弁当にして3日間提供しました。

今どきの子どもたちですから、好き嫌いがあることは分かっています。食材はかなり考えましたが、チャレンジもしました。初日の夜のセミナーでは「八ヶ岳は高原野菜がおいしい場所だから、ぜひそのおいしさを味わってほしい」と伝え、野菜を食べてもらう工夫をこらしました。

子どもたちの好きな肉に、野菜を細かくして混ぜ込んだり、マヨネーズやドレッシングの助けを借りたりしました。嫌いなものを我慢して食べるのではなく、食べてみたら「あれ!? これおいしい」と思ってもらえるようにと祈りながら調理。この合宿を機に食べられる食材が増えて、子どもたちの「食の自立」が少しでも進んでいたらいいなと思います。

今回は「シソの実とちりめんじゃこの佃煮」を紹介します。カルシウムの多いちりめんじゃこを佃煮にしました。

シソに実がつくのは、ちょうど花が咲き終わった夏の終わり時期。9月半ばから下旬にかけてが旬で、農産物直売所などで売られます。食物繊維やβカロテン、カルシウム、カリウムが多く含まれますが、一度にたくさん食べるわけではないので、香りや季節感を楽しみましょう。

佃煮はゆでたオクラにかけてもおいしい
佃煮はゆでたオクラにかけてもおいしい

10代はカルシウムの吸収が非常に高まる時期です。乳製品だけでなく小魚のちりめんじゃこなども「ちょい足し」のアイテムとして使いながら、しっかりカルシウムを摂りましょう。ご飯だけでなく、色々なおかずにトッピングして楽しんでください。

管理栄養士・月野和美砂