あなたのストロングポイント(長所)は何でしょう? 「スタミナがある」「腹筋が強い」「スタートダッシュが得意」…例を挙げたらキリがありませんが、それぞれに何かあるでしょう。

 もし今、この質問に即答できなかったならば、よく考えてみてください。必ずあります。仮に運動能力的なものが見いだせなくても、「練習メニューはすべて行う」「毎日の腹筋は欠かさない」「チームの決まりは必ず守る」などでも良いのです。「食事は残さず食べる」「決まった時間までに食べる」などもそうです。自分が継続的にやり続けていることは、ストロングポイントになります。

 私がサポートしているプロ選手は、必ず自分のストロングポイントを持っています。と同時に、弱点も知っています。

 とかく選手は、自分の欠点をなくした理想を追い求めがちですが、ストロングポイントは自分の武器。それも同時に磨きたいものです。

食事の目的は欠点克服?

 なぜ、このようなお話をしたかというと、自分の欠点を克服することに、食事の目的が偏ってはいませんか? 自分の持っているものをさらに磨く食事も大切だ、ということも常に感じていただきたいものです。

塩チキンの野菜あん
塩チキンの野菜あん

 今回紹介するレシピは「塩チキンの野菜あん」。よく、肉体改造をする選手が鶏肉のささみだけ食べているとメディアで取り上げられるため、鶏肉は身体作りに良いものだと思っている方も多いでしょう。実際に鶏肉は消化の良いタンパク質がとれます。皮は脂質が多いため、はがして食べる選手もいますが、皮をはがすとなんと30%以上も余計なエネルギーをカットすることができます。体脂肪を気にする選手は実践したいものです。

 またビタミンAも多いため、高強度の運動後などの回復に役立ちます。野菜をあんかけにすることで、パサついて食べにくい鶏肉の欠点をカバーできます。

 さらに今回は、小麦粉ではなく大豆粉で鶏肉を包み、植物タンパク質もとれるようにしています。これによってうま味も逃げないため、選手にも好評です。もちろん大豆粉が手に入りにくい場合は小麦粉でもOKですが、身体づくりを考えると、大豆粉は常備しておくとうれしいアイテムです。グルテンフリーを実践している人も多く、最近はスーパーでも大豆粉は手に入れやすくなっています。意外にはまる選手も多く、お薦めです。