今週末の11日から全日本U-15女子サッカー選手権大会が始まります。私が関わっている藤枝順心サッカークラブジュニアユースも東海5位として出場します。

今大会の出場をかけて臨んだ東海大会(11月)は昨年同様、新型コロナウイルス感染症の影響で無観客試合となり、保護者はもちろん、メンバー入りできなかった仲間たちも観戦することができませんでした。いつも支えてくれている人がいない中、選手たちは自分たちで荷物管理など試合以外のことをやらなければなりません。そんな状況下で感じた中学生女子の動向をお伝えします。

体と心の栄養で疲労回復が相乗効果

東海大会は2週連続で土日に試合が行われました。開始時間は正午もしくは午後2時で、自宅を出る時間によって昼食のとり方が異なります。「いつ、何を、どのように食べればよいのか」を事前に選手たちと考えて、当日を迎えました。

食事については、疲労回復のために試合後のエネルギー補給も重要です。補食の用意は私が担当しますが、通常はおにぎりがほとんど。「選手が喜ぶものはなにか」を考えていたところ、トレーニング後の補食として保護者会がパンを用意してくれました。いつもチームを応援してくれる地元のパン屋さんのパンを食べて、選手たちがとても素敵な笑顔を見せていたのが印象的でした。

補食を栄養面から考えると、糖質が摂取できる消化が良いものとなりますが、笑顔でおいしく食べることでリラックスでき、心の栄養がプラスされて相乗効果となるのは間違いありません。そこで、東海大会の試合後の補食には「おにぎりとあんパン」を用意することにしました。

炊き込み、サケ、梅、おかか、あんパン

おにぎりの具は炊き込み、サケ、梅、おかか。それにあんパン。この5種類の中から自分の好きなものを選んでもらうようにしました。だいたい1人2個。私は「あんパンが1番人気になるのではないか」と想像していました。

試合終了後、選手たちはまず、オレンジジュースでエネルギー補給を行い、トレーナーの指導の下、しっかりとダウンを行います。着替えて、手を洗って、その次に補食を摂って欲しかったのですが、登録外メンバーが不在なため、チームの荷物を運んだり、ジャグを洗ったりという作業をしなければならず、なかなか補食タイムとなりませんでした。

ようやく補食を選ぶ段階になったら、続々とおにぎりに手が伸びていくではありませんか。こちらが期待したあんパンではなく、おにぎりを選ぶ選手が多く、中でも炊き込みご飯の人気が目立ちました。いつものパン屋さんのものではなく、市販のあんパンだったこともあるかもしれませんが、甘いものよりも食べ慣れたものの方が好むのかもしれないと改めて感じたものです。

そこで今回は、簡単に作れて試合後の補食にもなる「サバみそ煮缶の炊き込みご飯」を紹介します。缶詰のサバは調理工程で骨まで食べられるようになるため、生のサバに比べてカルシウム量が多くなり、タンパク源にもなります。缶詰は長期保存ができ、味も安定しているので、家庭でストックしておくと便利です。

シメジは石づきを切り取り、小房に分けて保存袋に入れて冷凍保存。油揚げは刻んであるものを購入し、ほかの野菜はきんぴらゴボウ用などの冷凍野菜を使用すれば、包丁やまな板を使わずに調理できます。

研いだお米に調味料を加えて具材をのせ、スイッチ1つでおいしい炊き込みご飯ができます
研いだお米に調味料を加えて具材をのせ、スイッチ1つでおいしい炊き込みご飯ができます

出来上がったものは1回分ずつ小分けやおにぎりにして冷凍しておけば、必要な時に必要な分だけ食べられます。1人暮らしの人も手軽に作れる炊き込みご飯、試合後の補食にもなります。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵