10月に入り、静岡県内でも多くの競技で、全国大会を目指す県予選や地区予選が予定通りに始まりました。選手たちには、今まで以上に自分の体と向き合い無理をしないこと、ケガをしたり、体調を崩したりしないように、良いコンディション作りができているのか気にかけるようにと、声をかけるようにしています。コロナ対策をしながらですが、大会が開催され、思いっきりプレーができることは、やはりうれしいものです。

「嫌いなものは残す」は今では普通

さて、前回のコラムでは、「世界食料デー月間」についてお伝えしました。私自身も世界の食料問題、健康問題について普段よりも考えるように心がけ、子どもたちにも機会があるたびにお話ししてきました。そんな中で気になったことがありました。

・嫌いなものを残す。
・遠征時の食事でも食べきれない、好き嫌いがありすぎるとの話が聞こえてくる。

子どもたちに話を聞くと、学校給食でも嫌いなものは食べない(年に数回の残食チェックの時だけ、クラスで頑張って食べる)のが普通で、「フードロス」「もったいない」などの言葉が届いているのは意識の高い生徒たちだけのようです。提供されている食事を残してしまうようでは、エネルギーや栄養素の不足は否めません。

コロナ禍で合宿や遠征など、様々な体験不足が原因の1つかもしれません。チームサポートを行っているチームの選手たちは、食べることに対して考えられるようになってきていますが、そうでないアスリートも多いようです。スポーツに励むジュニアアスリートの体作りをサポートする立場として、スポーツ栄養の話をする以前に、もっと基本的な部分をフォローする必要があると感じました。

チンゲン菜の出荷量、静岡は全国2位

今回は、簡単で栄養価が高い「チンゲン菜とサバ缶のあえ物」を紹介します。チンゲン菜の出荷量は静岡県が全国2位です。ビタミンが豊富でカルシウムや鉄も多く含まれます。

サバ缶には水煮缶、みそ煮缶、味付け缶などがありますが、今回は味付け缶を使用。他の調味料は使用していません。ただ近頃は、減塩の推進で缶詰の味付けが薄くなっているものもあるようなので、味が薄い場合は、汁を多めにかけるなどして調整してください。魚の缶詰は、調理工程で骨まで食べられるようになるため、生のサバに比べてカルシウム量も多くなります。

遠征など火や鍋を使用することができない環境にいる選手は、野菜をレンジで調理しても良いでしょう。不足しがちな栄養素が手軽にとれます。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵