野菜や果物がとてもおいしい季節になりました。先日、ふらりと寄った道の駅では、大きなシイタケや紫色に輝いているナスが並んでいて、つい手に取って購入してしまいました。私の住む藤枝市ではおいしいシイタケがたくさん作られています。多くは乾燥シイタケに加工され、流通されています。

嫌いな野菜常連もハーブソルトとチーズで

ところが、私がサポートする高校生アスリートの寮の食事では、シイタケやナスは歓迎されていないようです。トマト、ピーマンなども、嫌いな野菜の常連です。

しかし、そんなシイタケやピーマンも独特の香りを感じにくくし、味も工夫すると食べられるのです。ハーブソルトで炒めて、たっぷりのチーズと一緒にお肉にのせた「豚肉のソテーたっぷりチーズ」。ピーマンが嫌いな選手も「あれ? 大丈夫だ」と言いながら食べていました。この「食べることができた」という経験が、次も苦手な食材を食べられるきっかけになると思います。

コンディションアップやケガをきっかけに

前回のコラムでもお伝えした通り、今年の秋は故障者が多いと感じています。秋の大会が始まり、「コンディションを良くしたいから、食事について考えてみよう」と意識することで、普段は避けてしまう、苦手な野菜に挑戦する選手もいます。

また、故障によって自分を変えようとする選手もいます。先日、試合後に手に痛みがあり、医師から「疲労骨折には至っていないが、無理をしないように」と言われた選手も、そんな1人です。昨年の今頃も同じようなことがあったと、昨年のコラム「ケガをきっかけに食べることに興味をもった選手、心が向いている時がチャンス」を紹介し、一緒に食事について考えました。自宅でも家族と話したり、自分で考えたりしたようで、翌日、自分からいくつもの質問をしてきてくれました。苦手な食べ物にもチャレンジしてみるとのことでした。

いつもと異なる“何か”が起きてしまった時、そこから得られるものは絶対にあります。次につなげるチャンスととらえ、食事も振り返ってみて欲しいと思います。

今回紹介した「豚肉のソテーたっぷりチーズ」は1人分を作る場合は、フライパンひとつでできる簡単レシピです。今回は豚ヒレ肉を使用していますが、ヒレ肉とロース脂身つき肉のエネルギー量を比較すると、ヒレ肉100gで112kcal(脂質1.7g)、ロース脂身つき100gで263kcal(脂質19.2g)と2倍以上も違います(日本食品標準成分表より)。

肉を裏返すタイミングで野菜類を加え、肉の横で炒める

野菜に火が通ったら、肉の上にチーズとともにのせ、ふたをして蒸し焼きに

脂質を抑えたい選手は今回のようにヒレ肉を、エネルギーをたくさん摂取したい選手や体重を増やしたい選手は、脂身のある肉を使用してエネルギーアップをすることがおすすめです。

シーズン中にケガをして練習や試合に参加できない――スタッフという立場では、どうすべきかを冷静に考えることができますが、自分が保護者だった時を思い出すと、なかなかプラスに考えることは難しかったことを思い出します。選手が前を向いたなら保護者もそっと支えて欲しい。そう願うばかりです。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵