体重を量ることは、単に体の重さを測定するだけでなく、摂取している食事や運動量を評価するために重要なことです。毎日決まった時間に体重測定をし、継続的に体の変化を見ていくようアドバイスされると思いますが、家庭用の体重計にはどんなものがあり、どれを選べば良いか迷うところですね。今回は、現在発売されている体重計の最新の機能や効果的な測定方法を紹介します。

体重計の機能

主流は体組成計測
現在販売されている体重計は、家庭用のコンパクトなものでも体組成が測れるものが主流です。体重、体脂肪率のほか、骨格筋量、骨量、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、BMI、体年齢、除脂肪体重などを計測できるものもあります。骨格筋量だけでなく、筋肉の状態を表す筋質点数が測定でき、筋繊維が増加傾向なのかまで分かるものあります。

アプリと連携
乗ると自動で電源が入り、測定が開始されるものや、事前に身長などのデータを登録しておくことで、家族が共有しても誰が乗ったか判別してくれるものもあります。そのデータをBluetoothやWiFiを介してスマートフォンと連携し、アプリに記録できるものもあります。

食事や運動量の評価も
さらには測定結果から、食事や運動、水分摂取量の評価や必要量を算出までしてくれるものもあります。アプリを利用すると、歩数や運動量、入力した摂取エネルギーの情報を集結し、より正確な食生活や運動の評価が可能になります。

高価なものになりますが、手足など四肢や体幹など部位別の筋肉量や脂肪率が測定できるものもあり、スポーツ施設などで使われています。

毎日決まった時間に同じ条件で体重を量ることで、食事や運動量、体の変化が分かります
毎日決まった時間に同じ条件で体重を量ることで、食事や運動量、体の変化が分かります

体重計の選び方

何キロまで測定できるか
家族が共有する場合、測定可能な体重を確認しましょう。体の大きい家族がいる場合は何キロまで測定できるのか。何人まで登録できるのかが重要です。

何グラム単位で測定できるか
運動をしている人やダイエットをしている人は、何グラム単位で測れるかも気になりますね。100グラム単位が主流ですが、50グラム単位で測れるものもあります。運動の効果を確認したい人には、徐脂肪体重や筋質点数まで計測できるものが分かりやすいでしょう。

対象年齢は何歳からか
子どもや高齢者がいる場合は、対象年齢(何歳から)も確認しましょう。測定は簡単かどうか、表示は大きくて見やすいか、電源は自動で切れるかなどの機能性も重要です。体脂肪率などの体重以外のデータは、小さい子どもは正確な数値が測れないものもあります。一方で、体重だけの計測なら、昔ながらの電源不要のはかりタイプも、実は使いやすいのです。

効果的な測定方法

同じ条件で測定
体重は1日の中でも1~2キロ程度は変動しています。食事摂取の前後、トイレの前後、運動前後などで変わります。体重変化を見るには同じ条件で測定することが重要です。朝起きてトイレの後や夕食後の入浴前などタイミングを決め、同じ場所、同じ格好で測りましょう。

同じ体重計を使用
体重計の機種によって、体脂肪率などは多少誤差が生じます。同じ体重計を用いることで、変化が分かりやすくなります。

食事後は体脂肪が低くなる
体脂肪率は、ほとんどのものはBIA(生体電気インピーダンス分析)法といって、体に電流を流した時の電気抵抗率から分析する形で測定しています。水分を多く含む筋肉組織には電気が流れやすく、水分をほとんど含まない脂肪組織には電気が流れないという原理から、体の水分量によって体脂肪率は変わります。つまり、食事や水分摂取の後は体脂肪率が低く、運動後やトイレの後は体脂肪率が高くなるこということを覚えておいてください。もちろん、脱水の状態では正確な体脂肪率は測定できません。

さあ皆さん、もっと体重計を利用して自分の体に向き合ってみましょう。

【管理栄養士・今井久美】