岡山大学は、厚生労働省の般統計調査「21世紀出世児縦断調査(※)」を使って幼少時のテレビ視聴(時間)とその後の小学生時(小学校1年~6年)の視力低下との関連を調べたところ、1.5歳、2.5歳の時にテレビを長時間見ていると、小学生での視力低下と関連することが分かったと、報告した。

研究結果によると、1.5歳と2.5歳の時に「主な遊びがテレビを見ること」の子供はそうでない子と比べると、その後小学生になってから視力が悪くなった率が有意に高かった。また、2.5歳の時のテレビを見る時間が1日に2時間以上と長い場合も、1時間未満の子と比べると、小学生時に視力が悪くなる率が高かった。ただ、3.5歳、4.5歳、5.5歳での1日のテレビ視聴時間と小学生の視力低下とは関連がみられなかった。

このことから、視覚が発達する3歳までは特に、テレビ視聴が長くならないように注意することが大切だとしている。

近視の発症には、遺伝的要因と環境要因の両方が関与すると考えられており、環境要因の1つに、近くを長時間見る「近業」が挙げられている。テレビだけでなく、今はスマートフォンの利用も増えている。生後間もない時に長時間、近くのものを見続けさせないよう、周囲が気を配ることが必要だ。

※21世紀出世児縦断調査=全国で2001年1月10日~17日および7月10日~17日に出生した子ども4万7015人を対象として毎年調査票を送って回答してもらう調査。