4月から食事の管理を自分でするようになった方も多いでしょう。「献立を決めるのが大変だ」という声をよく聞きます。自炊を始めたものの、途中でやめてしまう理由の多くは「時間がかかる」「無駄が多く、結局食材費が高くなる」。前回のコラムに続き、新生活の食事として自炊を続けていくためのコツをお伝えします。

ステップ1、献立を立て必要な材料を買いに行く

まずは何が食べたいか、レシピなどを調べて作れそうなものを選び、必要な材料を買いに行くところから始める人が多いでしょう。主食、主菜、副菜を揃えることを基本とし、彩りを考えて献立を決めると、バランスよく、おいしそうな献立になります。

最初は材料を余らせたり、少量規格の食材を買って多少割高になったりするかもしれませんが、ここで自炊をやめてはいけません。

ステップ2、残った材料を使う献立を考える

次は、残った材料を有効に使う献立を考えます。一例として、「ニンジンを使った献立」「卵を使った献立」などで、食べたいメニューから食材を調達するのではなく、家にある食材から考えるのです。これに足りない食材を買い足すようにします。

これを続けていくうちに、日持ちする食材や様々な料理に合う食材が分かってきます。そのようなものは大きい規格のものを購入しておけば、日常的に使える食材が揃います。買い置き食材の中には、ツナ缶などの缶詰や、野菜やシーフードミックスなどの冷凍食材も加えると、使いたい分だけいつでも使えるようになります。

ステップ3、メインの材料から献立を考える

献立のメインとなるものが主菜、いわゆるタンパク質の多い肉や魚、卵などです。「豚肉を使った料理はどんな献立が合うだろう」「サケを使った料理は何が良いだろう」と材料から献立を考えるようになると料理のバリエーションが広がります。スーパーの特売の肉や魚を購入して、それを生かした献立が立てられるようになり、食材のコスト削減にもなります。

ステップ4、他の食材で代替できるか考える

例えば、レシピの材料には「ホウレン草」と書かれていても、「小松菜」など他の野菜で代用できないか、「キャベツ」を「タマネギ」に変えられないか、といったことを考えてみます。これがイメージできるようになると、レシピのアレンジができるようになり、まとめ買いもできるようになります。足りない食材をあるもので代替することで食材の無駄が減り、ゴミも減らせますので、お財布にも環境にも優しくなります。

ステップ5、保存方法を検討する

料理によってはたくさん作った方がおいしいもの、少量で作ることが難しいものもあります。1度で食べきれない分は冷蔵や冷凍で保存しておけば、何日かに分けて食べられますし、忙しくて料理時間がとれない時に温めて食べられる保存食にもなります。

また、食材を購入した後に下ごしらえをしておいて冷蔵、冷凍しておけば、食材を腐らせたり余らせたりすることもなく、調理時間の短縮にもつながります。

ステップ6、旬の食材を取り入れる

旬の食材は季節を感じられ、安い上に栄養価も高くなっています。日々の献立に旬の食材を取り入れられるようになれば、料理上手になっていくことでしょう。

この6ステップは毎日、家族の料理を作っている人にとっては当たり前のことですが、最初は誰もが料理初心者です。このようなステップをひとつずつ上り、学んでいくことで手際の良く料理ができるようになります。

自分で料理を作ると味付けを変えられるので、同じものでも飽きずに食べられることや、自分好みの味付けにできます。何よりもどんな食材や調味料を使っているのかが分かり、余計なものを摂らないことで安心して食べられます。

献立を効率良く立て、食材を無駄にせず、経済的に買い物する方法を学び、自炊を続けて栄養面の自己管理ができるようになるよう応援しています。

【管理栄養士・今井久美】