<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

ライムはインドやヒマラヤ地方原産と言われるミカン科の果実です。酸果ライムと無酸ライムがありますが、一般的には酸果ライムを指し、香酸柑橘(こうさんかんきつ)のひとつです。

日本では温暖な地域で栽培されていますが、生産量が少ないため、ほとんどは輸入品です。無酸ライム(スイートライム)はジュースなどに加工されることが多いです。

ライムは小果種と大果種に分けられます。すだちくらいの大きさの小果種「メキシカンライム」は、風味が良いとされますが、種がやや多めです。レモンより少し小ぶりな大果種「タヒチライム」は種がなく、多く出回っています。品種の表示がないものはほとんどがこちらです。

熟すと果皮が黄色く、酸味がまろやかになりますが、熟す前の方が風味は良いとされます。果皮にハリとツヤがあり、緑色の面積が多いもの、重みを感じるものを選びましょう。果皮は薄い方が良品です。持った時にかたいものは果皮が厚く、果汁が少ない可能性があります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ライムは酸味が強いので、たくさんは食べられませんが、注目されるのはファイトケミカル(フィトケミカル)である香気成分や有機酸です。

ライムの香気成分にはリラックス効果があり、気分をリフレッシュして集中力を高めます。物忘れ防止にも効果があるそうです。有機酸には疲労回復効果が期待できます。

果皮にもポリフェノールをはじめ、ファイトケミカルが含まれています。果汁を搾る際は、果皮からの汁も搾るとよいのですが、輸入品は防カビ剤などを使用しています。果物に使用可能な洗剤や、塩をこすりつけるなどしてよく洗いましょう。国産品は無農薬のものも流通しています。

期待される健康効果は、食欲増進、疲労回復、精神安定、風邪予防、ガン予防などです。

保存するなら
丸ごとの場合は乾燥しないようポリ袋などに入れ、野菜室で保存します。1つずつキッチンペーパーなどに包むとより長持ちします。

カットしたものはラップでぴっちり包んで冷蔵庫に入れ、なるべく早く使いましょう。果汁を搾って瓶などに入れ、冷蔵保存することもできます。

冷凍する場合は、丸ごとまたは使いやすい大きさに切ってラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。搾り汁を冷凍する場合は製氷皿で凍らせると使い勝手がよいです。

【管理栄養士・高木小雪】