最近、話題となっている成分「マイオカイン」。「マイオ」は筋肉、「カイン」は作動物質のことで、筋肉から分泌される生理活性物質(ホルモン)のことを指します。現在までに50種類以上も見つかっており、それぞれの働きについて、世界中で盛んに研究が行われています。

代表的なものに、「IL-6(インターロイキン6)」「FGF-21(線維芽細胞増殖因子21)」「SPARC(スパーク)」「Irisin(アイリシン)」などがあり、メタボリックシンドロームが改善することにより分泌される「アデポネクチン」も、マイオカインの一種です。

脂肪分解、骨の形成、筋肉の増強、抗炎症作用、免疫力アップ、血糖値の改善、高血糖時の食欲抑制、肥満の予防、動脈硬化の予防、大腸がんの予防、認知症の予防など、様々な効果が期待されています。

マイオカインを増やすには「運動」

マイオカインは、筋肉から常に分泌されているものと、運動時に分泌されるものがあるので、運動して筋肉量を増やすことが有効です。

筋肉を増やす方法は、アスレシピでもたくさん紹介しているように、筋トレ(高度負荷運動)を行い、運動後に糖質とタンパク質を補うことを心がけると良いでしょう。BCAAを運動前後に補うと、より効果的です。

関節痛などがある場合は、負荷をかけた筋トレを行うのは難しいので、自重を利用したスクワットなどを行いましょう。どこでもできて手軽です。有酸素運動でもマイオカインを増やすことが可能です。

以前から、運動することで運動機能の向上、減量、体型の維持・改善、精神的安定などに効果があると言われていますが、マイオカインのような物質が出ていることを意識すると、より運動に対するモチベーションが上がるでしょう。

【管理栄養士・今井久美】