ビーガンは主食と大豆製品を積極的に

(1)のビーガンの場合、主食をしっかり食べて、タンパク質の多い大豆製品を積極的に摂る必要があります。ゆで大豆40gや、納豆(1パック程度)には6gのタンパク質が含まれています。木綿豆腐は100g(約3分の1丁)で6gのタンパク質が摂れますので、毎食大豆製品が含まれるようにすると良いでしょう。また、脂質、カルシウムや鉄、亜鉛も不足しやすいため、ナッツ類も摂るようにしましょう。

(2)ラクトベジタリアンの場合、乳製品からタンパク質が摂れます。牛乳にはコップ1杯(約200g)で6g、ヨーグルトは約80gで3gのタンパク質が含まれるので、毎食、乳製品をつけると、1日20g近くのタンパク質が摂れます。

(3)ラクトオボベジタリアンの場合、卵からもタンパク質が摂れます。鶏卵1個(50g)に6gのタンパク質が摂れるので、毎日、1~2個は摂りたいですね。

(4)ペスコベジタリアンや(5)ポーヨーベジタリアンになると、通常の食事に近くなるので、タンパク質不足の心配は少ないでしょう。肉や魚は、「重量の約20%のタンパク質を含む」と覚えておくと良いでしょう。

ビタミンB12不足で貧血になる可能性も

このように、ベジタリアンでも食事の内容に気をつければ、タンパク不足になることはありません。しかし、植物性食品しか食べない場合、鉄をたくさん摂っていてもビタミンB12不足により貧血になる場合があります。鉄欠乏性貧血と異なり、めまいやふらつきといった症状だけでなく、舌の痛み(舌炎)や手足のしびれ、感覚麻痺といった神経症状がみられることもあります。特に成長期の子どもは気を付ける必要があります。

ベジタリアンを実践する場合、定期的に血液検査を行い、タンパク不足や貧血になっていないか、血液中のビタミンB12も測って、体の中も確認すると安心でしょう。

【管理栄養士・今井久美】

<関連コラム>