<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

ブルーベリーは、北米原産と言われるツツジ科の果樹で、古くから先住民が食料や薬として利用していたようです。ブルーベリーは容易に交雑するため、多くの品種があります。大きく分けると、耐寒性の強い「ハイブッシュ系」、耐暑性の強い「ラビットアイ系」、荒れ地に自生する「ローブッシュ系」の3つです。日本では、品種を選べば北海道から沖縄まで栽培できます。

日本では、1951年に北海道農業試験場でハイブッシュベリーを栽培したのが始まりです。1968年には東京都小平市に、ラビットアイ系のブルーベリー栽培園ができました。ラビットアイ系は、熟す前にきれいなピンク色になります。

ブルーベリーは自家不結実のものが多く、複数の品種を一緒に栽培しています。果実はまとめて収穫されるため、店頭で品種名が記されていることはあまりありません。

果皮の色が濃い青紫色で、軸の付け根部分まで黒っぽくなっているものが熟しています。追熟しませんので、しっかり熟したものを選びましょう。果皮にハリがあり、粒がふっくらしているものが良品です。果皮にシワがあるものは避けましょう。

果皮に白い粉(ブルーム)がついているものは新鮮です。ブルームには乾燥を防ぐなどの働きがあり、収穫から数日すると見られなくなります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ブルーベリーは、ビタミンE、ビオチン、マンガン、食物繊維を多く含んでいます。マンガンは他のミネラルと協力して骨や関節の結合組織づくりにも関与します。成長期にしっかり摂りたい栄養素です。

ブルーベリーは青紫色が特徴ですが、この色素成分はファイトケミカル(フィトケミカル)で、植物が持つ自分自身を守る力です。第二次世界大戦中にイギリスのパイロットが、ブルーベリーの仲間である「ビルベリー」のジャムを食べると夜間飛行でもよく見えるという話から、色素成分であるアントシアニンの研究が進み、日本でも『ブルーベリーは目に良い』と一時話題となりました。ビルベリーはアントシアニンをとても多く含んでいます。アントシアニンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。

期待される健康効果は、ガン予防、風邪予防、骨粗鬆症予防、生活習慣病予防、眼精疲労改善、便秘改善などです。

保存するなら
時間が経つと果皮の色が変わっていきますが、追熟ではありません。やわらかく傷みやすいため、購入後はできるだけ早めに食べましょう。

保存する場合は、洗わずに野菜室で保存します。ゴミなどを取り除き、保存容器にキッチンペーパーを敷いて、乾燥しないように密封して保存します。食べる前に優しく洗いましょう。ポリフェノールは水溶性です。長時間水に浸けておくと流れ出てしまいます。

冷凍保存する場合は、洗ってから水けを取り、保存用袋に入れて冷凍します。利用する時は冷蔵室で半解凍にします。そのまま食べても良いですが、コンデンスミルクをかけるとカルシウムがプラスされる上においしく食べられます。ジャムやお菓子などにも利用できます。1カ月ほどで使いましょう。

ドライにすると濃縮されますので味が濃くなります。重ならないようにザルに並べて干すか、電子レンジで乾燥させます。保存袋に入れて冷蔵庫で2週間ほど持ちます。

【管理栄養士・高木小雪】