日差しの強い外での運動や出掛ける時は、熱中症に気をつけ、水分摂取を心がける人がほとんどです。間もなく梅雨。まだ真夏ほど気温が高くなく、じめじめして湿度の高いこの季節も、実は熱中症になりやすいのです。

暑い時の体温調節として、体は発汗や呼気から水分を蒸発させて体温を下げています。しかし、湿度が高いと発汗しても蒸発しにくいため、気化熱で熱が下がることが期待できず、体内に熱がこもりやすく、熱中症になりやすいのです。

湿度下げ、体に熱をこもらせない

梅雨の時期の熱中症を防ぐには、「発汗を進めるために水分摂取をすること」「湿度を下げること」です。エアコンがない場合は、「扇風機を使うこと」「汗をかいたら服を取り換えること」が大切です。

水分も、一度に大量摂取しても尿として排出されてしまうだけなので、喉が渇く前にこまめに摂取するよう気を付けてください。水分を摂ると血液が薄まり、血液量が増えます。血管が拡張することで体表面の血流が良くなり、発汗以外にも体表面から熱が放散されやすくなります。このことを「放熱」と言い、これが、汗をかかなくても水分を摂取した方が良い理由です。

発汗量が多い時は電解質を一緒に

どのような水分を摂ればいいかというと、汗の量が多くない時は、水やお茶といった電解質を含まないもので十分です。汗の量が多い時は、汗と一緒にナトリウムやカリウムも排出されてしまうので、水分と電解質を同時に摂取する必要があります。いくら水をとっても血液中の電解質濃度を一定に保とうと尿量が増え、結局、脱水が解消されないからです。

また、食事を摂った後なら食事中に十分なナトリウムやカリウムが含まれているので、電解質を含まない水分で良いですが、食事から4~5時間後の運動で大量に汗をかく場合は、スポーツドリンクなど電解質の入ったものを選ぶようにしましょう。

【管理栄養士・今井久美】