アスリート、特に女性に貧血が多いことはよく知られていますが、学校の健康診断で血液検査が含まれていない学生の場合、どのようにしたら自分が貧血だと分かるのでしょうか。

成長期や月経の開始で鉄の需要が増え、それを満たすだけの摂取が不十分な場合の貧血や、アスリートに多い鉄の破壊が増えることが原因の貧血は、どちらも「鉄欠乏性貧血」です。

鉄欠乏性貧血の症状は、顔が青白い、階段を昇る時に息切れがする、体がだるい、疲れやすいなどですが、大出血する以外は、徐々に貧血は進行するものです。自覚症状を感じるようになった時は、かなり重度な貧血になっていることが多いといわれています。

簡単にできる貧血チェック

それでは、貧血に早く気付くためのチェック方法を紹介します。

(1)顔のチェック(顔色、下まぶたの色、舌の色や状態)

貧血になると肌の赤みが減り、白っぽくなってきます。また、肌荒れもしやすくなります。舌も赤みが減り、表面がツルツルになってきます。自分では気が付かなくても家族が気付く場合も多いので、保護者は顔色をよく見るようにしましょう。

(2)体のチェック

抜け毛が増える、爪が割れやすい、爪がスプーン状になる、肌荒れがするなども貧血の症状です。

(3)体調チェック

疲れやすいと自覚する前に、眠気や頭が重く感じることがあります。また、頭痛がする、肩が重く感じる、イライラするなども貧血の症状です。朝、寝起きが悪く、なかなか起きられないようなら、貧血の可能性もあります。

(4)定期的に献血をする

16歳以上で、女性は40kg、男性は45kg以上から献血ができます。献血では貧血の指標である赤血球数、ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値、また貧血の種類が分かる平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモグロビン濃度も測定してくれます。人の役に立ちながら自分の健康を管理するために、献血するのも良いですね。

早く気付けば、早く改善できます。自分が貧血かどうか、気になっている人は、今日から始めてみましょう。上記のチェックに該当した人は、病院を受診することをおすすめします。

【管理栄養士・今井久美】