<おにぎり今昔物語(10)>

ゲン担ぎや気合いを入れるために食べる「勝負めし」。皆さんも食べたことがあるでしょう。常に勝負を求められるスポーツ選手は、自分専用の勝負めしを持っている人が少なくありません。

中でも「おにぎり」を勝負めしにしている日本人選手は多くいます。今回は“日常食としてのおにぎり”ではなく、“勝負めしとしてのおにぎり”に焦点を当ててみたいと思います。

集中力高め、験かつぎ

例えば、輝かしい記録が評価され、国民栄誉賞を受賞した羽生結弦選手もおにぎりを勝負めしにしている1人。羽生選手のおにぎりは「俵型」。これは一般的によく見る三角形のおにぎりだと「3」(位)で縁起が悪いため、数字の「1」に見える俵型のおにぎりにしているのだとか。あのソチ五輪の演技の前にも食べたそうですよ。

また、2000年シドニー五輪女子マラソンの金メダリスト高橋尚子さんは中学時代、レース予選通過後から決勝までの時間、集中力を切らさないためにお母さま特製の「おかかおにぎり」を食べていたそうです。消化のことを考え、レースに支障が出ないよう2時間前には食べ終えるようにしていたのだとか。今でも「おかかおにぎり」を見ると、当時の緊張がよみがえってくるそうです。

いざ頑張らなければいけないときに食べる「勝負めし」。勝利をつかんできたメダリストにあやかって、彼らと同じ勝負めしを食べることで集中力を高めるのもいいかもしれませんね。

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